悪役なりの精一杯の恋だから【ダイヤのＡ】

▼.２４ ページ25

◇貴方side◇





授業終わりを告げるチャイムと同時に背筋を伸ばした。



久々にちゃんと出た授業は少し疲れたな。






貴「…一也は？」






周りをキョロキョロと見回したが、一也は居なくて、まだ戻ってきてないようだ。



昼休みだから、一緒にご飯を食べようと思ってけど



居ないなら一人で食べよう。





◇





学食に向かおうと廊下を歩いてると、弁当を持って歩いてる香菜ちゃんが居た。



私は、わざとらしく香菜ちゃんの肩にぶつかった。



　


松「きゃｯ！」






香菜ちゃんの体勢はくずれ、転びそうになっていた。



だけど、私は「大丈夫？」「ごめんね」と声はかけないし、



振り返ってあげたりもしないで無視して歩き続けた。





本当は胸が痛くて、罪悪感でいっぱいになる。





でも、私は悪役だから。






？「おい」





けど、この声には振り返った。





貴「…何？倉持」


倉「さっきの1年に謝んねーのか？」


貴「…うん」


倉「何でだよ！可哀想だろ！！」


貴「…そうだね」





倉持は怒ってるようだけど、



私は何を言えばいいのかわからなかった。



正直、私がやってる事は



正しいのか間違ってるのか、




わからないから…

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