悪役なりの精一杯の恋だから【ダイヤのＡ】

▽.２１ ページ22

◇倉持side◇






部活の休憩時間、



御幸は一年のマネに絡んでた。



その姿にイラッとして、






倉「おい御幸！！部活までイチャつくな！！」






邪魔してやって、お決まりのタイキックする。






御「痛いなー、倉持くん」






唇を尖らせて言うので、



その姿にまたイラッとして



もう一度タイキックをお見舞いしてやった。



そしてまた、いってーっ！と蹴られた場所を手で押さえる。






モヤモヤした感じは少しだけスッキリしたが、




まだ全部は消えなかった。







松「倉持先輩、助かりました！！私は仕事に戻りますね！！」


倉「おう」






松下は深々と俺に頭を下げて、



逃げるかのように走って行った。



「ヒャッハ、嫌われてるじゃねぇか！」と俺が言うと御幸は「うっせ…」と一言。






倉「池野も不便だな、こんな奴の相手なんて」
　

御「……またAの話」


倉「あ？なんか言ったか？」


御「別にー」







御幸がボソッと何か言ったが、俺には聞こえなかった。






御「倉持ってAの事好きなの？」


倉「はぁ？好きじゃねーよ！」






池野の気持ちも気づかねーくせに、何を言ってんだ！！と、言いそうになったが止めた。






御「だってAのこと気にかけてるし、昼だって飯一緒に食ってただろ？w」






ニヤニヤ笑い、俺の様子を伺ってくる。






確かに、池野に恋してるなら



今までの守ってやりたい気持ちや



モヤモヤした気持ちを説明できる。
　





けど、それを御幸に見透かされるのは嫌で…








倉「そんなんじゃねーよ！」









俺は否定した。

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