悪役なりの精一杯の恋だから【ダイヤのＡ】

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◇御幸side◇





部活の休憩時間、



俺はまた香菜ちゃんに近づく。






御「香菜ちゃん♪明日も一緒にご飯食べよ」


松「嫌です。もう私に近づかないでください」


御「酷いなーw昼休みのときは優しかったのにw」


松「それは、怪我させてしまったから優しくしただけで、私は貴方が嫌いです！」






また、香菜ちゃんに嫌いと言われてしまった。



香菜ちゃんに「嫌い」とは何度も言われてきた。



そのはずなのに、今は胸が痛い。





香菜ちゃんに嫌いって言われたくない。





好きって言ってほしい。





そんなに険しい顔しないで、昼休みの時みたいに笑って？








御「香菜ちゃん、俺は本気だよ？」

松「信じられません」






俺は香菜ちゃんの腕を引っ張り、顔を近づける。






御「どうしたら信じてくれる？」






香菜ちゃんの表情は最初は驚いた顔をしたが、



すぐまた険しい顔に戻る。






松「…御幸先輩には池野先輩がいるじゃないですか」


御「Aは彼女じゃないよ」


松「知ってます。御幸先輩は池野先輩のことどう思っているんですか？」





どうして急にAが出てくる…？



不思議に思ったが、答えられないことではない。






御「Aは俺にとっての友達。それだけだ」


松「それは本当ですか？」


御「ああ…」







胸の奥で何かが引っかかってるような気がしたけど、





俺にはそれが何かわからなかった。

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