悪役なりの精一杯の恋だから【ダイヤのＡ】

▽.１９ ページ20

◇倉持side◇







午後の授業、池野と御幸が居なかった。



あいつらの事だから、またサボりだろう。



あいつらがサボるのはいつものことだ。



なのに、何で今日はあいつらの事が気になるんだ？



ソワソワするというか、



とりあえず御幸をぶん殴りたい気分だ。



それに、



昼休みのとき池野は俺と飯食ってるのに



俺のことを見てない感じだった。



見の前にいる俺じゃなく、どこか…




御幸を見ているような。






倉「はぁ…」






俺と飯食ってんだから、



少しくらい俺のことを見てくれてもいいのに。



そう思うたび、胸がチクッと傷んだ。



池野を見たり考えたり、話したり…



池野絡みのことで最近、胸が締め付けられる。



意味もなく苦しくなるし、辛くなるし…。



何故だが分からないが、





嫌な気持ちなはずなのに嫌じゃない。







倉「御幸をぶん殴りてー…」






御幸にやつ当たりすれば、



このモヤモヤとした感情は消えるような気がした。

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