忍と天女と物の怪 ~3~【忍たま】

天女ちゃんのハーレム大作戦（11） ページ5

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「伊作く〜ん！！すきすきっ結婚して！！」

「あ、Aお帰り。悪霊は退治できたの？」



幽霊にぎゅーっと抱きつかれながら伊作さんは私に微笑みかける。

当たり前だけど、伊作さんには幽霊が見えていないようだった。



「伊作くん、すきっ好き好き、大好き！伊作くん、伊作くん！」



伊作さんにすりよる幽霊。

幽霊の口角が上がる。

ーーーー「わたしだけのものになって」


確かにそう呟いた。

何を行っているんですか、と私が言おうとするよりも先に、伊作さんが頭を抑えて苦しげな表情でうずくまる。


『伊作さん！』


倒れた先に折れたギターがあったので慌てて倒れかけた伊作さんを抑える。

危ない危ない。ギターが刺さって食満さん以上に重傷を負うところでした。



「この感じ、前と同じ…

……Aの仕業、なの？」



私の手を振り払い、なんとか柱に捕まって伊作さんは立ち上がる。

その目には、拒絶の色があった。

え、え？
一瞬、頭が真っ白になった感じがした。

なんでそんな怖い顔するんですか？


ふとさっき言われた言葉が脳をよぎる。


「でも、面白いよね。アンタは仲良くなったつもりでもこんな簡単にくずれちゃうんだから。」

「勿論、私の力でね」



あれ、…どういう意味かな？
言葉が脳をよぎったところまではよかったけど何言ってるのか全然わかりません。

「勿論、私の力でね」ということはつまり、、、、。



『よくわからないけど悪霊退散！』



この霊が消えれば全部解決ですね！



「ちょっと待った！そこは落ち込むところ！
やめて、塩かけないで！」



塩やらお札やらを霊に投げつけ続けると、「私アンタ嫌い！」と、霊は外へと逃げていった。

逃がしません！
大急ぎで霊を追うために走り出す。

と、服の裾が何かに引っ張られてその場で盛大に転んだ。



「ああっ、ごめん！！転ばせるつもりはなくて…」


伊作さんが、立ち上がらせてくれる。
もう苦しくなさそうだ。


『もう大丈夫そうですね！よかったです！』



伊作さんの目が大きく見開かれる。


「ほんと、ごめん。一緒にしちゃって」


『一緒に…って、さっきの霊とグルで私をからかったってことですか…？』


「うーん全然違う」



ーーーまあ、とりあえず霊いるなら祓ってきて！



いつも通りの図々しさ。これぞ伊作さんですね。
返事をすると外へ飛び出す。

さっきの木の場所で霊が拗ねているのがみえた。
しょうがないので声をかけましょう。

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