忍と天女と物の怪 ~3~【忍たま】

かんがえごと。 ページ11

、

久々知さんに先にいっていてくれと頼んだ。


信じようと、私は思ったけれど。



別にそれは今すぐじゃなくてもいいかとも思った。
とりあえず今は、あれです。


一人でいろいろと考えたいんです。
私だって、ちゃんと真面目に考えることだってあるんですよ。

天女は悪いやつ。
だから言うことをすべて信じるのは危険。


不思議な力で人を操る。



『もしも、他の天女が伊作さんたちを操ったら…』



伊作さんたちは、私のことを嫌いになるのでしょう。
今までどんなことを話したのかも忘れるのでしょうか。


天女が行うのは記憶修正？催眠術？


私は天女？
天女なら不思議な力…私で言うところの除霊…。

ううん、でも私は捨てられてここに来たわけだから…天女じゃ、ない、と、思われ…



ここまで頑張って考えたけれど残念ながらここで力尽きました。
最後の疑問は自分で思い出さない限り、答えがわかることはないだろう。



『自分のことは自分が一番知っている…』


というか、私のことがわかる人間なんて多分いない。
何か少しでも、私のことがわかれば、何かが変わるかもしれない。



『何かが』


「足りない？」


『はい………ん？』



誰かの声がした方を慌ててみる。
いつの間にか、私のとなりに人間が座っていた。



「何が足りないの」

『いや、なんといいますか…致命的な部分がいろいろと』

「ふぅん。
ねぇ僕探し物してるんだ、手伝って？」


自分から聞いておいて、彼は興味なさげに頷いたと思うとお願いをしてきた。
まっすぐこちらをみつめる茶色の瞳を見て、どうしようか考える。

五年生みたいな感じで…殺られる…？

そりゃあ私だって疑いたくはないけれど！
今までが今までだから…


でも頼ってくれたのは嬉しいし。


『いい、です、よ…？』


お手伝いします、と言うと彼は少しだけ微笑んでくれた。

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