流星群

流星群 34 ページ36

ななside


『ださっ……。』


それが公平先輩の服を見た時の第一声だった。



公平先輩の貸してくれた服の真ん中には大きく
｢千発百中｣の文字。




いや、百発しかあたらんのかい()



まあ、ダサいからと気ない理由にはならない。私は服に手を通した。



『でっか……。』



ださ、の次に出た言葉だった。



いや、なんの疑問も抱かず借りたけどひとつ上、ましてや男子の服と来たらデカいに決まっている。



あいにく私は女子の中でも小さい方に分類されるくらい背が低い。


尚更、先輩の服が大きく感じてしまう。



普通にしていたら袖から出ない手のひら。



太ももの半ばまである丈。



『(あんなちゃらんぽらんに見えても男子なんだな…)』


失礼なことを考える。


更衣室から出ようと後ろのドアの方を向こうとした時にふわっといい匂いがした。



それは服からかおる先輩の匂い。



何故か落ち着く匂いをしている。



『って、なに変なこと考えてるの…！』




自分の頬をペチンと叩く。



さすがにデカすぎた先輩のズボンと昨日の服を抱いて私は太刀川隊の隊室に戻った。

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