流星群

流星群 17 ページ19

ななside


ピンポーン



チャイムの音が聞こえた。十中八九、公平先輩だろう。

碧｢お、来たんじゃないか？｣


『多分ね。』


私はスマホをリュックに突っ込む。


横に置いていた白いカーディガンを羽織りマフラーを巻き玄関に向かう。



ガチャッ



出｢よっ！｣


そこには学ラン姿の公平先輩。……とカチューシャを付けた黒髪の人。


そっとドアを閉めようとした手を止められる。



出｢待て待て待て。こいつは悪いやつじゃないって！！｣


その言葉を聞いて閉めかけていたドアをもう一度開ける。


米｢俺は米屋陽介！弾バカから話しは聞いてる！よろしくな！｣


第一印象賑やかな人。


『星宮ななです。よろしくお願いします。』


米｢おう！じゃあ、学校行こうぜ｣


『はい。』


玄関から1歩踏み出した瞬間兄さんに呼ばれる。


碧｢なな！｣


振り返るとそこには優しく微笑む兄さん。


碧｢行ってらっしゃい。｣




きっと私が学校に行かなくなってずっと心配してくれていたのだろう。それでも私の気持ちを尊重して何も言わないでくれた兄さん。



感謝してもしきれない。



｢ありがとう｣と口に出すのは恥ずかしかったので


『兄さん行ってきます。』


と、言い笑った。



兄さんは一瞬驚いたような顔をしていたがすぐ笑顔になり


碧｢おう！｣


と言った。




そして私はもう一歩外に歩みを進めた。

流星群 18→←流星群 16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す