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Aside




聖夜くんの手を引いて階段をのぼり、屋上に着く。


そこからの記憶はほとんどない。


" なにしてんだろ … 彼女でもないのにバカみたいっ … "



「えーと、ここの問題はー…」



授業中。


涙が溢れてきた。急いで制服の袖で隠し、伏せる。


その時だった。誰かが私の手を引き、無理矢理立たせる。


そして



「先生、具合悪そうなんで連れていきます」



聖也くんだった。呆気に取られたように抵抗する間もなく教室を出される。


聖也くんは振り返って私の頭を撫でる。さらに出てくる涙を見て彼は焦ったように手を引いた。


階段をのぼり、ドアを開ける。屋上だ。



聖「大丈夫?泣くなって!」


『聖也くんっ … 』


聖「俺が気づいたからよかったけど、真冬が気づいてたら……」



言葉を詰まらせる彼に涙を拭って笑いかける。



『ありがとう!』



教室に戻ろうと今度は私が手を引く。


しかし、暖かい温もりに包まれた。甘い柔軟剤の香り。もちろん、ここには二人しかいなくてびっくりして固まってしまう。



『っ … !聖也くん … ?』


聖「ごめん、もう見てらんないんだよ」






_____真冬を見て傷つくお前を_____






" え … "


と、か細い声が私の口から漏れる。


その時自覚した。まふくんが他の子と話してる時に胸が痛くなるのも、誘いを断られて泣きそうになるのも、私はどこか傷ついていたんだ。


幼なじみという仕切りの中で壊したくない関係があって、言えなかった。それも傷ついていたんだ。


また涙が出てくる。


そんな私に彼は優しく告げる。



聖「真冬より幸せに出来る。今は好きじゃなくても、これから好きにさせる。もう傷つかなくていいから。」



あぁ、辛い。


彼は私を好きでいてくれる。それは私も幸せだ。まふくんを諦めれば、この半端な感情も、くだらない嫉妬も、傷つくことすらなくなる。



聖「俺と付き合ってください」



私は1度目をつぶる。


そして



" さよなら 、まふくん 。"



そう心に告げて、彼の手をとる。






____はい 、お願いします____

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akane_ozora - 初コメでクソ図々しいですが、この作品もなのさんも大好きです。これからも気分転換にちょくちょく来ます。 (2020年10月25日 23時) (レス) id: f8880d9a40 (このIDを非表示/違反報告)
乘肄 - お気に入り登録したいけど非ログだからかできない… (2020年5月25日 17時) (レス) id: 07acb83777 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあり - 初コメ失礼します…リクいいですか?うらたさんの嫉妬が見たいです…いつも楽しく(ニヤニヤ)しながら見てますwこれからも頑張ってください! (2020年4月1日 10時) (レス) id: 453ce3b25a (このIDを非表示/違反報告)
リム - これからも頑張ってください (2020年3月31日 11時) (レス) id: 4989ac28a9 (このIDを非表示/違反報告)
リム - めっちゃ面白いです(*´ω`*) (2020年3月31日 11時) (レス) id: 4989ac28a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なの | 作成日時:2019年1月24日 19時

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