誂えられた異世界人 (ページ39)

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36話ページ39

地下への階段へ案内された。

「それにしても…本当におれ達は幸運れす！

決戦の今日に、埴安姫様と会えるとは…」

ムシムシの実モデルカブトムシを食べた小人族のカブさんはとても嬉しそうな顔でいる。

「決戦？」

「今日は10年間私達を苦しませてきたドレスローザの国王ドフラミンゴを打ち倒し、囚われの身のマンシェリー姫と工場で無理矢理働かされている仲間を助け、平和なドレスローザを取り戻すのれす！」

姉御肌のムシムシの実モデルスズメバチを食べた小人のビアンが説明してくれた。

ドフラミンゴを倒すって…私はこのままだと、トラ男の作戦を跡形もなく消し去るような真似をすることになるのでは？

しかも、工場って…スマイル工場のことじゃ…

頭が痛くなってきた。

…

少し現実逃避しながら階段を下り、トンタッタ王国へ通された。植物や地形を利用したミニチュアの建物がたくさん並んでおり、小人達が窓から顔を覗かせている。まるで御伽噺の世界だ。

「みんな聞いてくれ！

この方は古くからトンタッタに伝わる伝説の埴安姫様れす！

協力をお頼みしたところ、快く承諾してくれました！」

『埴安姫様が！？』『やった〜』

少し警戒していた小人たちはカブさんの言葉で直ぐに私を信用して、大喜びし始めた。たった今勝利したかと思うほどの喜びようだ。

「カブさん！僕らもとてもいい知らせがあります」

緑の帽子を被った小人族が駆け寄ってきた。

「実は！ヒーローが現れたのれす！」

『なんだってー！？』

ヒーローという単語に頭を傾げつつ、話の続きを聞いてみる。

「ノーランドの子孫のウソランドとその仲間のロビランドれす！」

緑の帽子の小人は手招きをする。それに誘われ、奥から現れたのはウソップとロビンだった。

「ウソップ！ロビン！」

『A！？』

ウソップとロビンはとても驚いた様子だった。

「お知り合いなんれすね！」

「お知り合いというか…」

「仲間よ」

それを知って小人たちは更に目を輝かせるのだった。

〜〜
虫とも話せるなら、埴輪とも話せる筈！と思って小人と埴輪は話せるという設定です。