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白は意外と透ける ページ18

夢主side

奇襲作戦という名の時間外労働が終わり、夜も更けた頃。
聞こえてくるのは賑やかな笑い声と、酒の匂い。
戦の後の高揚感をそのままに酒宴が始まったらしい。
何となく酒を飲む気分じゃなかったので、外に出てると、ふと夜だというのに辺りが明るい事に気付いた。

「…?……あ。」

その答えはすぐに出た。頭上に。

「ーーーーでっけー月…」

濃紺の絵の具をそのままぶちまけたかの様に黒々とした夜空に、ぽっかり大きな大きな月が浮かんでいる。
満月だろうか。桜の季節ということもあって、見上げる景色はひどく幻想的だ。

あァそういえば。
俺が松陽に引き取ってもらったのも、こんな風な桜の綺麗な季節だったか。

「…桜守……まぁ大仰な苗字もらっちまったもんだよなぁ…」

ーー満開の桜に守られた、君にぴったりの名前だと思いますよ?ーー

いつかのあの人の笑顔が、風に舞う桜の花びらに重なる。

「…松陽……」

会いたい。会いたいよ。
頭を撫でて欲しい。手を握って欲しい。剣の稽古をつけて欲しい。
また、俺らの側で、笑って欲しい。


今の俺らを見たら、アンタ何て言うのかな。


「なぁ…答えてくれよ。お月さんよ。」

坂「そうじゃのー。下着が透けとるから注意せぇとでもワシじゃったら言うかのぅ。」

「ぎゃああああッ!!!!」


後ろから唐突に聞こえた間延びした声にバッと振り向く。あははは!と(もう使い回しもいいとこで書くのもめんどくさいけどそれしか特徴が無いので書かざるを得ない)
…夜中だというのに変わらずの大声で笑う辰馬が立っていた。

坂「いつもはすぐ気付くのに、ボーッとしちょったのう。どうかしたがか?」

「や…うん、まぁ、考え事してた。てか辰馬、さっき下着って」

坂「今日は黒かー」

そこまで聞いて躊躇いなくこいつの顔面に右ストレートをいれた。
ぶべらっ!と汚い悲鳴をあげふっとぶモジャモジャ。

「おい、遺言は何かあるか。ええ?」

坂「あは、あははは…五月太夫によろしく、いっちょいてくれ…」

「任せろ。馬鹿なファンが死んだって伝えといてやるよ。」

人は意外な特技を持ってるものだ→←お礼は人の目を見て



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るー(プロフ) - まろ 様 ありがとうございます!! (2018年10月9日 21時) (レス) id: f73768fb7d (このIDを非表示/違反報告)
まろ(プロフ) - 凄く面白いですね! (2018年10月8日 13時) (レス) id: 00309ab547 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るー | 作成日時:2018年9月16日 19時

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