ゆっくりと、少しずつ ページ1
カゲロウデイズを攻略して、あの夏から1年がたった。
キドside
「暑い…。」
アジトのソファーに腰をかけ、ぐでっと今にもとけそうにカノが言う。
「おいカノ、うるさいぞ。」
トントントン…とリズムよく野菜を切りながら俺は言った。今このアジトに居るのは俺とカノの二人だけ。カゲロウデイズを攻略してからメカクシ団は解散し、俺とカノ以外の団員達はアジトを出ていった。少し寂しい時もあるけどそれなりに楽しく過ごしている。
「ねえキドー」
「なんだ?」
「もう団長じゃなくなったんだからそのしゃべり方やめなよ。」
「…」
「ほらつーぼーみーちゃん♪」
「今持っている包丁でお前の腹をかっさばいてやろうか?」
「ヒイイッ!ご、ごめんなさいぃぃ!」
カノの言うとおり俺はもう団長ではない。だけど今更このしゃべり方や格好を変えたところでどうしたらいいのかわからない。
「僕ね、今のキドも好きだけど、女の子らしいキドも好きだよ。」
俺だってカノが大好きだ。
だけど、だけど…
「悪かったな。女の子らしくなくって。」
カノは今は素なのか驚いている顔。
「…キド?」
気づいたら俺はアジトを飛び出していた。
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作者名:おかちゃん | 作成日時:2016年11月23日 9時