マチノソラ9

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倫也さんがお風呂に入ってる間にベランダにでて空を眺めている


カラ………


「どこいったかと思った」


「ふふ、きれいで。」


「月？」


「うん」


「うん、きれいだね」


「……………」


「で、ビール？」


「あははは、月を肴に」


「俺も飲もっかなぁ」


「だめー」


「なんでよ」


「ふふふ………」


そのまま何も言わずに隣に座った倫也さんは、空を見つめた


「最近家でビール飲むようになったよね」


「ん？嫌？」


「前は隠れて飲んでるみたいだったから」


「えっ、知ってたの？」


「缶捨ててあるからねぇ。」


「あー……………、、」


「ツメ甘いのが可愛いよね」


「言ってよ…………」


「隠れて飲んでるの想像したら可愛くて」


「……………、、」


「ふはは、心境の変化？」


「んー、なんか、いいかなぁって」


「俺に見せても？」


「うん…………そういうことなのかなぁ」


「……………」


「うん？」


黙った倫也さんを見れば、私の顔をじーって見ていて月明かりに照らされた顔がカッコよくてドキリとする


「な、なに……………」


「あ、ドキドキしてる？」


「……………してる……」


「あははははは俺の顔好きだよねぇ」


「自分で言う？」


「俺もAの顔すきだよ。」


「……………それわざと？」


「わざと。」


この男は本当にずるい。


ぐいっとビールを口に含んで唇をあてて流し込めば、溢れた一筋が倫也さんの顎を伝った


「……………えろ…、、」


「おっ、色気でた？」


「いまので消えた。」


「……………」


「これはお誘い？」


「ちがいまーす。冷えてきた、中入る」


一杯だとあまり酔わなくなってきたなぁ



シンクで缶を濯いで逆さまにしてから、コップに水を一杯いれて飲み干す


リビングには台本を読んでいるであろう背中


「おやすみ」


「おやすみ」


そのまま寝室に入れば、ふわふわに包まれながら目をとじる

こんな日も、悪くない。

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