マチノソラ9

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倫也さんは新しい映画の撮影が始まるらしく殆どは地方ロケで向こうに泊まり込んで撮影するらしい


「んじゃあいってきます。」


大きなスーツケースを持った倫也さんを玄関で見送る


「ん、頑張って！」

「帰れる時は連絡するね」

「うん」


こっちでの仕事もポツポツあるみたいだから、ずっと会えないわけじゃないけど、同棲してからこんなに離れるのは初めてだ。

まぁ元々は一緒に住んでなかったわけだから、ただその日々に戻るようなものだけど。


久々の一人暮らし！張り切って羽伸ばすぞーっっ！！









.









とか思ってたのに……なんだこの乙女は。



「だめだ……………会いたい…………」


「…………心の声でてますけど……」


「いーじゃんこんなこと言えるの須藤くらいなんだからさぁ〜〜」


楽しかったのは最初の1週間くらいで、3週間ちょっとでこの有様。
毎日一緒という日々に、思ってたより私の心は慣れてしまっていたようで。

一人で眠るベッドは広くて冷たくて、寂しくて仕方なかった。


「あとどんくらいですか？」

「……………1か月くらい……」

「まだ半分も経ってないじゃないすか」

「そうだよ〜だからさぁ〜」

「何か習い事してるんすよね。それに打ち込むとか」

「打ち込んでる最中はめちゃ楽しいの。でも寝る瞬間が寂しいの。」

「……Aさんそんなキャラでしたっけ……」

「そんなキャラにされちゃったのあの人に」

「あぁ……………」



須藤に甘えてどうするよと4杯目のビールを流し込む

少し強くなったおかげで、3杯だったのが5杯までOKになった。



「電話は？」

「撮影中だし、みんないるし…………」

「むこうからは？」

「連絡くる日もあるけど……………」



多分忙しいし、撮影が終わってもスタッフさんと飲んだり話したりしてるんだろう


それに、電話じゃ……………



「かわいくなりましたねーAさん」

「はぁ？バカにしてんの？」

「そのくらい素直な方がいいっすよ。」

「……………」

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