49 ページ49
ゆっくりとリビングに戻れば、ソファから覗く後頭部
近づいてみれば、台本に入っている真剣な顔
じっと見惚れてしまえば、ふっと顔がむいた。
「おかえり」
「あ、読んでてください」
「それ」
「?」
「前に外で会った時着てた」
「はい着てましたね」
「きてきて。うわっすご」
ソファにかけた私の身体を引き寄せて腕の辺りをさわさわとさするようになでる
「こうやって触ってみたかったんだよねぇ、すっげぇ手触り」
「ふふ、私もこれ触ると幸せになります。きゃっ!」
ふいに抱き寄せられて、ぎゅーっと包まれる。ふわっと香るのは同じシャンプーのはずなのに
「会いたかった」
「………はい」
「てか、風呂上りのAかわいい」
「…………どうも、、」
「これでいつもゴミ出してたとかよく無事だったね」
「まだ言いますそれ?」
身体が離れたと思ったら、目も合う前に唇が奪われていた
「……………っ、、」
浅く優しい動きで、ゆっくりと味わうように何度か合わせれば、コツンとおでこをくっつけて、ふふふと同時に笑った。
どちらからともなくもう一度顔を寄せれば後頭部に回された手と耳に添えられた二つの手が髪を掻き分けた
「んっ……………、」
深く入り込んできた舌に歯列をなぞられて、舌を絡めとられる
「………んっ、!……………っ、」
少しずつ激しさを増すリップ音と、背中にまわされた手にぐらりと体重が乗る
「は…………っ、」
唇を僅かに離した瞬間の倫也さんの息遣いが荒れて、天井のライトが遮られて揺れた
「ぁ…………っ」
するりと滑り込んできた温もりに、考えるより先に手が出た
「あの……………っっ!!」
掴まれた腕と空気に、ピタリと影が止まる
「ん?」
「……………すいません、、その………、、今日は、ちょっと……………、、、」
1秒の重たい沈黙が1分にさえ感じられる
「……………そっか、わかった」
あっさりそう言うと、覆い被さっていた身体が退いてソファを去っていった
ドキドキとうるさい心臓と、もやもやとした罪悪感。
そのあとの倫也さんは、ベッドで後ろから優しく抱きしめてくれながら、ただ眠った。
973人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
南季(プロフ) - 葵花さん» 葵花さん2周目&嬉しい言葉ありがとうございます!須藤はずっとそんな感じですよね…笑 長い旅になりますがゆっくりまわってきて下さい♪ (2021年11月1日 6時) (レス) id: 3a2f744c0e (このIDを非表示/違反報告)
葵花(プロフ) - 久しぶりにキュンキュンしたいと思い、2周目にやってまいりました!!このころからもう、須藤が可哀想で、、倫也さんは尊いし、倫也さんに対しても、この作品に対しても、好きという言葉が止まりません!! (2021年11月1日 3時) (レス) id: 8ffe339636 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - ゆみゆみさん» ゆみゆみさん、最後まで大事に読んでくれてありがとうこざいました。大切な仲間って言ってくれて嬉しいです。また何度でも彼らに会いに来て下さい♪この先のお話は、またいつか♪♪♪嬉しい気持ち伝えてくれて、ありがとうございました! (2021年8月16日 21時) (レス) id: 5c3131b6c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみゆみ(プロフ) - 南季ちゃん、さっきやっと全部読み終えました。大好きなお話だから大切に大切に読んで、私の中でみんな大切な仲間で、倫也さんもやさんで、ともやさんじゃなくてやっぱりともやさんで(笑) この世界が大好きすぎて、ロス状態です。また会いたいなぁ。 (2021年8月16日 21時) (レス) id: 41c9e973f0 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - まさかのましゃかど!さん» こちらにもコメント嬉しいです!携帯壊さないように気をつけて下さいね笑♪ 今日分今から更新しますね♪ (2021年3月22日 22時) (レス) id: 80e9fd99a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:南季 | 作成日時:2020年3月29日 14時