マチノソラ3

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そんな風にして時間はすぎて、心はまだズキズキうるさいけど、愛想笑いできるくらいには復活した 。


「すみません須藤さん瀬野さん、少しこちらでお待ち下さい」


営業中に店頭で待っていると、街頭のテレビに映画の番宣で倫也さんが映った。

隣には葉山さん。お互いに撮影中のエピソードを顔を見合わせながら話していて仲が良さそう。
あの後、葉山さんは仲の良い友人の一人ですとよく聞くフレーズのコメントが出て騒動は収まったが、未だに二人を推す声は多い。


画面の向こうで楽しそうに笑う倫也さんは、傷なんか全く無さそうで、それが更に深く脆くなった心をえぐる。
もしかしたら、今は本当に葉山さんとそんな関係だったりするのかもしれない。


ズキリズキリと笑う声がするたびに削れる心臓が辛くて顔を背けた。

「あいつですか」

画面に目を向ける須藤は、殺意をむけるように睨んだ

「はは、会ったことあるじゃん……」

「帽子で顔まで見えなかったんで。」

「なんで須藤が怒ってんのよ、もう大丈夫だから」

「……………」



その日の須藤は何故だかずっと不機嫌だった。会社に帰ってからも鬼のように仕事をし、いつもなら無駄口を叩きながらする打ち合わせも、全く笑わずただテキパキと話を進めた。


「須藤、今日ご飯たべいく？」

「予定あるんで。お疲れ様でした」

「あ……………、、お疲れー………」

ここ最近ずっと一緒に食べてたのに、珍しく誘いを断られて頭をかいた。

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