【呪術廻戦】なんでも張り合う五条くん

張り合い9 ページ10

・





森奥での夕暮れの中



なんだか恥じらう五条くん。顔を林檎みたいに真っ赤にして、もの凄く恥ずかしいそうなのに、真っ直ぐ私から目を離さない



……ズルい。その表情には負けてしまったじゃないか



五条くんの恥じらいが私にまで伝染してしまい、顔が一気に熱くなる。それを隠すために握っていない手で顔を隠そうとしたが、それは五条くんのもう片方の手で止められてしまう



「……で、どうなの？」


「え、えっと……手、離して？」


「やだ」


「『やだ』って……」


「返事したら離してやるよ」



目と鼻の先にある五条くんのご尊顔。詰みという言葉が脳裏に浮かぶ。言葉を発しようとすると、言葉が詰まる



なんでも張り合う五条くん。もう、君は勝っているのに、どう見ても圧勝なのに



「わ、私も……好きだよ」



今にも消えそうな声で言えば、掴まれていた手が離され、バッと勢いよく抱き締められる



抱き締められているせいで、お互いの心臓の音がよく聞こえる。バクバクしていて、今にも張り裂けそうなくらい苦しいけど、同じくらい嬉しい



そうして抱き合って暫く時間が経つと、五条くんは「……そろそろ帰るか」と一言。私は短く「うん」と頷き、どちらからともなく手を繋ぐと、鼓動が聞こえる森の中を二人並んで歩く



顔はお互いに真っ赤だったはずだ。恥ずかしくて、お互い顔を見れなかったけど



















そんな私たちを祝福する日本産ネッシーを見て、私は口を開く



「……見つけはしたんだね、五条くん」


「……オスだったけどな」









なんでも張り合う五条くん〜fin〜

後書き→←張り合い8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す