南波刑務所の最初の伝説級脱獄成功者は故意に捕まる“part3” (ページ8)

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投獄102 15番視点ページ8

取り敢えず逃げた先は管理室。色んな本や書類が山積みにされていた。その中には囚人や仕事以外になにか調べているような無数の資料。そして各国の刑務所を調べたものまであった

その中で一番気になったものは、鍵が何重にも付けられて、如何にも大事なものという箱だった

俺はその鍵を外し中のものを見た。結局資料だったが、沢山の資料の中の1つを見て俺は度肝を抜かれた

俺とAの顔写真が貼られた、【人体実験】の文字が載った資料。ドクドクと嫌に心臓の音が鳴るのが分かる

(A…お前、そういや彼奴と……)

過去にあの男が言っていた事を思い出す

［あんたの【記憶】はすっごい有力なのにさぁ、全部取れなかっただろ？］

あの時の言葉はきっと、A自身引っ掛かっているはずだ。この資料をもっと見たら彼奴の事を＿＿＿＿

「おいジューゴ、そっちなんかあった？」

「っ！い、いや、何も無かった」

咄嗟に資料をしまい箱を閉めた。周りの奴等が色々話して管理室から離れる

【あれ】は夢じゃなかった。俺は覚えてないのに、周りのヤツは俺の事を覚えている。俺は何を覚えていて、何を忘れているんだろう

それは求めるべきなのか

ずっと悩んでいても仕方ない。今は目の前の出来事に集中しないと。そう思い俺は首を横に振って一時的にその考えを消した

＿＿＿＿

《冥国視点》

散々質問をされてぐったりする。だって普通答えて間もなく質問が来たら、それも何回も連続できたら聖徳太子位しか持たんだろ…あれ、聖徳太子って10人同時にだったか？まぁ精神力は半端ないな

「聞きたいこと聞けたわ！ここ出たらお茶でもしましょ？」

「俺囚人なんだが…まぁいい、特別にぬいぐるみ室に招いてやろう」

「あら、あまり人を招かないって聞いてたから嬉しいわ」

「そうか…」

こうやって話し相手が居るから気を紛らわすことが出来るが、居なかったら寝てるな←

「…ねぇ3010番。あと一つだけ聞きたい事が＿＿＿＿」

雉がそういった時。俺は異様な【者】を感じた

「っっ!!」

鳥肌が立ち、嫌な汗が滲み出る。上の階からだ、気持ち悪い。これは吐き気だろうか

「＿＿…って、聞いてる!?私今凄いこと聞いたと思うんだけどっ！」

「きっ…じ……今、上…で、な、に…が……」

「待って、3010番何かあったの!?聞こえる呼吸荒いわよ!?深呼吸出来る!?」

言われるまま深呼吸を行うが吐き気は止まない。この上で一体何が起こっているんだ？