悪者をやっつけろ！(FB) ページ10
本日はイベント出演のため、とあるホールに来ていた。
控え室はMSSPのお隣。壁越しに騒がしい声が聞こえてくる...
「Aさーん、そろそろスタンバイお願いしますね」
ドアがノックされ、スタッフさんの声が聞こえた。
「はーい！...よし、行きますか！」
ーーーー
出番が無事に終了し、控え室へ戻る。
「...ん？」
ドアが、開いている。
不審に思いながらも部屋の中に入ってみれば、誰もいない。
「え、空き巣的な...うわっ！！」
扉が閉まった途端に、後ろから誰かに抱きつかれた。どうやら部屋に入ってすぐの死角に、誰かが潜んでいたようだ。
「ちょ...誰なの？！やめてください！」
驚いて身体を捩れば、「誰か」もろとも壁に倒れ込む。その瞬間に力が緩んだので、素早くすり抜けた。
相手は見たことのない男だった。
(スタッフさん呼ばなきゃ...！でも...)
ドアの近くには男がいて、部屋を出るのは無理そうだ。スマホを取るためには、男に背を向けなければならない...
(でも、相手が悪かったね。「誰か」さん)
目くらましの幻術。
紅く染まった双眼とひとたび目を合わせれば、男は暗闇の世界に堕ちる。
(？！)
計算外。男は私が妖狐と知っていたのか、目を合わせない。目が合わなければ、幻術は効かない。
(狐に戻って逃げるか？否、それでは万が一捕まったら腕力に差が...。どうしたら...)
ジリジリと、徐々に詰め寄る男。とうとう壁際まで追い詰められる。
為す術なし。肩を掴まれ、諦めてぎゅっと目をつぶった瞬間ー。
「Aちゃん！」
目を開けると、眼前に迫る相手の男。
ドアの方を見れば、FBの驚いた顔があった。
「FB...助けて...」
自分でも驚く程情けない声。FBの姿を見たら、恐怖感と安心感が一気に襲ってきた。
「Aを放してもらおうか」
氷よりも冷たいFBの声。
FBが手をかざせば、吹雪がまっすぐに男を直撃する。
「うぐっ...」
男が怯んで後退りをした。
FBは続けて、男の足元を凍らせる。
滑って転ぶ男。FBは男に近付き、男の手足に氷の錠をはめた。
「Aちゃん、大丈夫だった？」
男の動きを封じたFBは、泣きそうな顔で私のそばに来てくれた。
どうやら、ドタバタと騒がしい私の控え室を心配して、様子を見に来てくれたらしい。
事の顛末を説明したら、危機感が無さすぎる！とFBに怒られた。それが何だか嬉しくて、ニヤニヤしていたら今度は頭を叩かれたのだった。
＞＞＞＞
雪男FBが一番戦闘力高そう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名無しの夢女子 | 作成日時：2019年1月8日 22時
