はじめましての時(FB)2 ページ22
ガキ大将と取り巻きは、そう捨て台詞を吐いて、走り去った。
(あーあ、バレちゃったなぁ)
その背中をぼんやり眺めいていると、不意に、シャツの裾を後ろから引っ張られた。
「あの...ありがとう...。」
少し怯えたようにそう言う彼女。
「...別にいいよ。」
結果的にこうして助けに入るならば、最初から見て見ぬふりなんてしなければよかった。
「私以外にもいたなんて知らなかった。...隠してたんでしょ、ごめんね...助けてくれたせいで...」
「...いいんだって、僕の方こそ、もっと早く助けてあげられなくてごめん。」
未だ地面に座り込む彼女に手を差し出して、
「...僕はマコト。君は?」
「...A。」
Aが僕の手を取って、立ち上がる。
僕よりも背が小さいから、ちょうど僕の目線の高さで狐耳が揺れていた。
「僕もAと同じだよ。僕がいるから、もう大丈夫。」
ーーー
それから私の生活は一変した。
クラスは違うけれど、マコトくんがいてくれたおかげで、自分に自信が持てた。
その自信は、クラスメイトとの距離を縮めてくれて、私はすぐにクラスに馴染んで行った。
マコトくんの方も、雪男ってバレてしまったけれど、変わらずクラスで過ごしているみたいだった。
ーーー
あの時、FBが助けてくれなかったら、今の私達はなかったと思う。
あろまにも、えおえおにも、きっくんにも出会えなかったかもしれない。
「そーいやそんなんだったな!」
がはは、と笑うサングラスの彼。
「そーいや、って何、忘れてたの?」
「...嘘嘘、忘れるわけないでしょ。」
「...ならいいけど。」
今もまだこうして、隣にいる。
「...えふ...マコトくん、」
「なに、名前で呼ぶなんて珍しくてちょっとドキッとした。」
「ありがとう。」
あなたは私の救世主。
>>>>
書きたいように書いたら、また2話に跨いだ。
私自身は先生寄り箱推しなんですけど、なんか幼馴染ポジションはFさんがいいなぁって思うんですよね。
因みに一人称が俺→僕に変わったのは、現代から回想シーンに入ったよー的な感じで、敢えてやってみました。上手く伝わったでしょうか。
次はちょっと飛んで高校編で、えおさん、あろさんと出会わせたいですね。まだ何も考えてないんですけど、3話くらいに跨ぎそうなヨカーン...。
いつもより長い後書きにお付き合い頂き、ありがとうございました!
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作者名:名無しの夢女子 | 作成日時:2019年1月8日 22時