もしも、あなたと(K)2 ページ19
「いえ...ひとりじゃないんですけど...」
彼氏がいる事を伝えれば良いのに、慣れないナンパで思考が飛ぶ。
「そっか、じゃあしょうがない。お連れ様が戻るまで、俺とお話しない?」
男性は自然な動きで隣に座る。
近いんだけど、不快な近さじゃない。その振る舞いに緊張で身体が固くなる。
「ふふふ、もしかして緊張してる?ごめんね、急に声掛けて。可愛い子が1人でいるから気になっちゃって。」
「いえ、可愛いだなんて、そんな」
「あれ?照れてる?ふふっ...でも、本当だよ。こうやって少しでも「Aーー!お待たせ!」
男性の声に被せるように、きっくんの声。
「...あぁ、お連れ様が戻ったん「彼氏です!」
...あれ?怒ってる?
「...ごめんね、邪魔したね」
男性は何故か困ったような笑顔で手を振って、去っていった。
呆然としたままきっくんを見上げると、珍しく拗ねた顔。
「あ、きっくん...おかえり」
プチパニック状態の私はそんな間抜けなことしか言えなくて、きっくんは「おかえり、じゃないでしょ!」と怒っていた。
「もう!A、ちゃんと彼氏いるって言わなきゃダメじゃん!あんなイケメンにナンパされちゃってさー!」
きっくんはぷりぷりしながら私に飲み物を渡して、隣に腰掛ける。
私はやっと落ち着いてきて、きっくんから貰った飲み物を一口飲んだ。
「でもさぁ...」
同じように落ち着いたのか、きっくんが今度はしょんぼりした口調で口を開く。
「Aにはいつもこんな想いさせてたんだよね...俺。大好きな人が別のヤツに盗られるかも!みたいなさぁ...。」
めっちゃ焦ったわ、と自嘲気味に笑うきっくん。
それは、
「きっくんが悪いわけじゃない、から、そういう覚悟もして、そばにいたいと、思ってる、よ」
「...ありがと」
そうやって私を想ってくれるところも、
あなたの弱さも欠点も、まとめて愛するって決めてるから。
だから安心して、その能力と付き合っていこう。
全て受け入れて、一緒に分かち合おう。
>>>
Kさん編だけ長くなったwww
ナンパに嫉妬するインキュバスが描きたかっただけなんですよ!
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作者名:名無しの夢女子 | 作成日時:2019年1月8日 22時