【MS/SP】人外パロ短編 (ページ18)

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もしも、あなたと(K)1 ページ18

※もしもインキュバスと付き合っていたら？

「んもーー！また！逆ナン！されてる！」

久しぶりのデートの日、待ち合わせに少し遅れて到着すると、愛しの彼...きっくんがまさに逆ナンされている現場だった。
...まあ、いつも通りと言えばいつも通りの光景ではあるが。

「...おまたせ」

控え目に声を掛ければ、「彼女来たし、ゴメンね」と爽やか笑顔で女性達を追い払うきっくん。
「え～、ざんねーん」なんてきゃあきゃあ言いながら退散する女性達を、見えなくなるまで見送るような優しいところも好きなのだけれど。

「ちょっとは嫉妬するんだからね」

私達は、傍から見たら普通のカップルに見えるのだろう。その実、人間ではない。

インキュバスと妖狐...

「ごめんごめん、でも俺の事を本当の意味で好きでいてくれるのはAだけだから。」

「うう...それ言われちゃうと弱いなぁ...」

すれ違う女性はみな、きっくんの姿に釘付け。まあ、彼が元々カッコイイのももちろんあるのだけれど(彼女の贔屓目かも知れないが)、
大体はその性質のせいであると言わざるを得ないだろう。いくらカッコ良くたって、100人中100人が好きになる事など、人間では有り得ないのだから。

私は妖怪だから、その能力もあまり効かないようで、こうしてある程度は平常心を保てるのだ。

「それに、Aのこと大好きなのも俺だけだよ」

「...それは、単に私がモテないって言いたいわけ？」

「違うよー！もー、怒んないでって」

「逆ナンでいちいち怒ってたらキリないし怒ってないよ...」

気苦労も多いけど、優しいところも、その性質に苦しんでいるところも、それを隠してしまう強がりなところも。

「惚れた弱みだからね...」

ーーー

デート中、「ちょっと飲み物買ってくるね」と買い出しに行ってしまったきっくんを待って、どこまでも青い空を眺めていた。

「ねぇ...君、ひとり？」

声をかけられて顔を向けると、見知らぬ男性(イケメン)。