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理解不能 ページ11

「ええと……どこがおかしいのでしょうか」
才華は心底不思議といった顔をして私を見てる。
「安西極国の王様は、大概人間のどなたかがなられるものですし……」

そりゃあ前提からして理解できないし……。
才華が私のことを理解できないというなら、私だってこの国や才華のことを理解できない。
それでも、私が王様になるの?
「……あ」

ふいに、才華が間の抜けた声を出す。
「どうしたの?」
私の辺りをじっと見つめて、それからひとこと言った。
「ちょっと整理させて」
それから少し遠くを見て
「ケイキを、美琴さんは今連れていない……あれ、もしかしてこれ危ない?」
一人で何やら考え込んでいる。




「何がどうなってるの?」
突然、私の背後から、威圧的な声が聞こえてきた。
「わっ!?」
「宰相様!?」
振り返ると、傾城の美女が立っている。
ぬばたまの髪、薄紅がさしている頬、猫のような釣り目。
威圧的でありながらも軽やかな姿勢は、彼女の身分が高いことを示す。
「才華、この子が次の王様ってわけかい?」

私をじろじろと確かめるように見ているこの美女はいったい誰なのだろう。
「ケイキが彼女を連れてきたらしいのですが」
「だけど肝心のケイキがいないじゃないか」
才華の言葉を遮ってぴしゃりと彼女は言う。


「う……そうですが」
「まあいい。……あんた、名前なんて言うんだい?」
「白鳥、美琴です」
「美琴、ね。あたしの名前は胡蝶」
傾城の美女こと胡蝶さんは、私に
「あんたはケイキを見たんだろ?一応聞くけど、どんな形だった?」

私はちょっと考えて……というのも、実はケイキの見た目を忘れかけていたのだ……はっきりと
言った。
「ええと、なんかほっそりしてました。全体的に。あと金髪で私以上に髪長かったです」
それを聞いた胡蝶さんがうなずきながら
「疑って悪かったね、間違いない」
「わたくしは最初から疑っていませんでしたわ」
と才華と言い合っている。




だから!
全っ然理解できないんですけどー!

女宰相→←神様=?



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さな(プロフ) - あと、読者の私からすれば行間を開けることや、登場人物の詳しい特徴…または情景描写が使われていたらもっともっと良くなると思います。初めましてのくせに生意気ですいません! (2020年1月1日 1時) (レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - はじめまして。この作品がランキングの上位に入っていたので読まさせていただきました。オリジナル作品は基本的に目を通さないのですが、このお話はすごく先が気になります。 (2020年1月1日 0時) (レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - 名無し24146号さん» コメントありがとうございます<m(__)m>確かにそうですね……人の様子がわからないと内容が分かりにくいということになりますね。意識してみようと思います。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - 十二国記さん» コメントありがとうございます<m(__)m>ええと、アンチスレというのがよくわからないのですが、評価の荒らしというものがあるという事ですか? (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - めぐっぽいど(偽物)さん» ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陰月。 | 作成日時:2019年2月1日 11時

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