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女宰相 ページ12

状況がわからずポカンとしていた私を見て、
「説明不足ですよね、すみません」
才華が困った顔で謝ってきた。
「ごめんね。よくわからなくて」
「いえいえ当然です。人間の世界とこの世界はまずコトワリから違いますし!」
ものすごい勢いで否定する。

「美琴、あたしと少し話さないか?」
突然胡蝶さんがそう言ってほほ笑んだ。
「ええ……。何を、です?」
「あんたのことさ……。うん、まあ、あれだ。美琴さんと呼ぶよ」
「突然なんです?」
「自分の身分がいまいちわかっていないみたいだねえ。それもしょうがないけどさ。
 あたしは女宰相。安西極国の。つまり国でもトップレベルの人間と言っていい」
「ええ!?」

私は驚きすぎてもう一度胡蝶さんをじっくり見た。
整った顔立ちと隙のない姿勢は、確かにリーダーのようにも思える。
「……とはいえ、美琴さんのほうが遥かに身分が上だけど」
「私……? 私は一介の高校生にすぎませんけど?」
そういうと、胡蝶さんはまた笑った。
「向こうではそうだったかもしれないけど、この国じゃ美琴さんは偉い立場だから」
冗談のように聞こえるけれど、目は真剣そのものだ。
「ち、ちなみに私は何なんですか?」

一泊おいて、才華と胡蝶さんが同時に言った。
「美琴さんは、安西極国の王」




意味がわからない。
「何で私?というかまず王?絶対王じゃないしまず」
「わかったから落ち着いて。あのね、これは天上人の布令なんだ」
「……はあ」
「ケイキは美琴さんの気配を……正しくは王の気配を辿った。ちなみにあたしもわかるし、才華もわかる。一度王にあった人間は王の気配がなんとなくわかるんだ」
「直感みたいなものですね」
直感、と胡蝶さんは繰り返した。
「新人の王に頼むのも気が引けるんだ。けれどお願い。ケイキを連れ戻して」
連れ戻してって……。よくわからないと思うんだけど。

冒険者?→←理解不能



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さな(プロフ) - あと、読者の私からすれば行間を開けることや、登場人物の詳しい特徴…または情景描写が使われていたらもっともっと良くなると思います。初めましてのくせに生意気ですいません! (2020年1月1日 1時) (レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - はじめまして。この作品がランキングの上位に入っていたので読まさせていただきました。オリジナル作品は基本的に目を通さないのですが、このお話はすごく先が気になります。 (2020年1月1日 0時) (レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - 名無し24146号さん» コメントありがとうございます<m(__)m>確かにそうですね……人の様子がわからないと内容が分かりにくいということになりますね。意識してみようと思います。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - 十二国記さん» コメントありがとうございます<m(__)m>ええと、アンチスレというのがよくわからないのですが、評価の荒らしというものがあるという事ですか? (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - めぐっぽいど(偽物)さん» ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陰月。 | 作成日時:2019年2月1日 11時

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