【サマウォ】私は強いお前は弱い【池沢佳主馬】 (ページ10)

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第8話ページ10

すぐそばにあった柱にもたれかかりながら声を殺して泣いた

初恋を簡単に忘れられるわけがない

好きな人に忘れてって言われて納得なんてできない

貴「さいっ…てい…」

泣きながら呟いた

この後、どうしようかなんて考えているとすぐ後ろの襖があいた

貴「あっ」

？「え、だ、大丈夫！？」

貴「いや、何でもないんで！！迷子になっただけです！！」

？「迷子になるのはわかるけどそれだけで泣いてるわけじゃないでしょ！？」

貴「っ…」

夏「何あったら言っていいんだよ。私は夏希。よろしくね」

貴「私はAです。…良かったら聞いてもらえませんか」

夏「もちろん！あと敬語じゃなくていいからね！夏希ちゃんとかお姉ちゃんって呼ばれると嬉しいなー…なんて」

貴「じゃあ夏希お姉ちゃん、で」

私はさっきまでのことを話した

昔から好きだったこと

返事をできなかったこと

現実と佳主馬から逃げてしまったこと

泣いてしまったけれど言えた
全部話すと何故か少し落ち着いた