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三試合目 ページ10

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その後も着々と試合は行われていった。

私が破壊した地面は王国軍の魔法やら高度技術やらにより数十分後にはあっという間に元通りの姿に復元された。



右手にアルコール度数の低い酒、左手にはお気に入りの酒のおつまみ、素焼きアーモンドを持った私は観客同様にのうのうとバトルパートを楽しんでいた。



そんな中訪れた三試合目――…



妖精の尻尾(フェアリーテイル)B、ラクサス・ドレアーvs大鴉の尻尾(レイヴンテイル)、アレクセイ!!』



場内に現れる二つの大きな影。



「ラクサス頑張ってね」

「なんの心配もいらねーだろ」

「あのラクサスさんですよ」



ギルダーツに継ぐギルドの最強候補の一人の彼。
周りは当たり前のように彼の勝利を確信していた。


勿論、その強さをよく分かっている私もその一人。



だが、一部のギルドメンバーは違うようで……


雷神衆や、ビスカはこれまでに何度も仲間に危害を加えてきた大鴉の尻尾(レイヴンテイル)の動向を厳しく監視している。



「ところで、今日ってあと何試合あるの?」



なぜかそれが他人事のように思えて、緊張感なんてものは丸っきり無かった。




.



『両者……前へ』



両者が前に進んだ事を確認すると、けたたましい試合の合図が響く。




『試合開始ッ!!!』




そのたった数秒後。

ラクサスの体は勢いよく後ろへ吹っ飛んだ。
正確にはアレクセイに殴られ、その衝動で吹き飛ばされた。


ラクサスが即座に立ち上がり反撃しようにも、その速度を上回る速さで次々と攻撃が繰り出される。


期待していた光景とは違う光景に、周りは驚きの声が隠せずにいた。



「そんな……」

「冗談だろ」

「ラクサスさんが、やられているんですか……?」



ラクサスがここまで一方的にやられているのを初めて目の当たりにしたからなのか……


目の前の彼が別人のように思えて仕方がなかった。

酒のつまみ→←破壊



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作者名:梅水晶 | 作成日時:2022年12月31日 16時

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