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奥義炸裂 ページ8

次から次へと、MPFに攻撃が繰り出されるのを私は静かに一人で見ていた。


だがイマイチ、数値の基準が分からない。

どこからが低くて、どこからが高いのか……大鴉の尻尾(レイヴンテイル)のオーブラとかいうのは“4”とか一桁台を叩き出していた。


剣咬の虎(セイバートゥース)のオルガが、3825。

3500前後を出せば三位には食い込めるかな。


なんて呑気な事を考えていると――…



鳴動富嶽(めいどうふごく)!!!!』



地鳴りと共にやってきた地面の欠片と土埃。

開けた視界。MPFの上には8544という数値がハッキリと見えた。



「……おっさんめ…」


頬はヒクヒクと引き攣る。

三位入賞の夢も絶たれたかと思った、その矢先。



「足場が危ないカボ……」



ジュラの攻撃によって地割れした会場の地面は、丁度食べやすそう(・・・・・・)な大きさになっていた。


崩れた地面の表面を手に取り、躊躇なくそれを口に頬張る。


三日間、皆の魔力がぶつけられ蓄積された地面の土は私の魔力を補完するどころかその限界を越えてきた。

ウェンディの強化魔法にかかった時に近い感覚。


まあいわゆる……ドーピングね。
皆には内緒。



「あれ?見間違い……?」

「土……食ってた?」



体の底から漲る魔力が抑えきれない。



「次は、君だカボ」



進行係に促され、MPFの前に立つ。



「っつか、なんだこの魔力……」

「なんで、こんな大きな魔力に今まで気がつかなかったんだ」




「ちょっと、試してみようかしら」



右手をグルングルンと振り回した後
開いた手のひらを地面に向ける。





「“滅竜奥義――…”」






『おっとぉ!ここで最終奥義が炸裂かァッ〜〜!!!』






「”大いなる破滅(カタストロフィ)”」






.

破壊→←MPF



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作者名:梅水晶 | 作成日時:2022年12月31日 16時

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