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滅竜魔導士 ページ37

私が救援に辿り着いた場所は、滅竜魔導士が一人としていない青い天馬(ブルーペガサス)一同の元だった。


「あー…これまた面倒な…」


辺り一帯を俯瞰できる高台からドラゴンと群衆を見下ろし溜め息をこぼす。

対峙するドラゴンが岩の塊とはね。
どう考えてもこちらの分が悪い。

救援を待つとか言ってられるほど周りの滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)も余裕は無さそうだし……1人でどうにかする他ない、か。


「何百年経とうが愚かな種族よ。人間というものは」


魔導士の群れ目がけて足を振り上げるドラゴン。
静かに高台からドラゴンの真上に飛び降りる。

足先がドラゴンの体に触れた瞬間、波紋状の波動が体中に一瞬で広がる。

不意の攻撃に、さすがのドラゴンも体勢を崩し、横に傾いた巨体は大きな音を立てて建物に倒れ込んだ。


「その愚かな種族に見下される気分はどう?」


再び高台に戻った私は瓦礫に埋もれたドラゴンを見下ろしながら問いかける。


「あれは!!」

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の!!」

「私達のために助けに来てくれたんだね!Aくん!!」


下で騒ぐ集団を一瞥してスルーする。
全ての意識は、横たわりながら私を睨む岩のドラゴンに向いていた。


「この我に一撃を与えるとは…何奴」


「ただの魔導士よ。ドラゴンを殺せる力を持った、ただの魔導師」


「つくづく愚かな種族よ……」


あっという間に体勢を立て直したドラゴンは、分かりやすく攻撃を仕掛ける動きを見せた。

息を大きく吸い込み、天を仰ぐ姿。

危険を察知した私はすぐさま群衆の先頭に降り立つ。
能天気に騒ぐ群衆を背に、一人構えた。

天災→←存在意義



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作者名:梅水晶 | 作成日時:2022年12月31日 16時

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