挑発 ページ32
パァン…!
突如、夕闇の空に閃光の如く現れた
恐らく残った私達を1箇所に誘き寄せるため。
「挑発されてるね。どうする?」
「行かねば…まだ…戦いは終わってない」
本当に強情な子。
押せば今にも倒れそうなほどボロボロなのに。
彼女の芯の強さには毎度驚かされる。
それと同時に自分の軽薄さに笑えてしまう。
「りょーかい。もう少し頑張って」
「すまない…A……」
一人で立ち上がるのもやっとなエルザに肩を貸しながらその場を後にした。
.
私達が紋章が打ち上げられた元に辿り着いた時
そこにいたのは双竜の片割れ、ただ一人。
あのサインを見たギルドのメンバーが一人、また一人と集まってくる。
メンバー全員が集まると一息つく間もないままに彼が口を開いた。
「壮観だね。みんな、オレが七年前に憧れた魔導士ばかりだ」
憧れた、という割には一切怖気付く様子もなく意気揚々と振る舞う双竜の片割れ。
心做しか何かに吹っ切れているように見えた。
「御託はいい。これが最後の戦いだ」
「一対一でやってやる。誰がいい」
「まとめてでいいさ。その怪我じゃ一対一はつまらねェ」
「憧れ、という割には随分と舐め腐ってるようだけど?」
「とんでもないアンタらには敬意を払っているよ」
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作者名:梅水晶 | 作成日時:2022年12月31日 16時