空間魔法 ページ30
ドンッ！ドドドドッ！！
先程と同じように鳴り響く爆発音。
「あ……」
爆発で燃えた服の隙間からギルドの紋章が見え隠れする。
決着が着くのが先か、私の服が燃え尽きるのが先かって感じね。
「妾の空間魔法はこの視界全てが攻撃範囲だ」
空間魔法。なるほど、遠距離であれほどの威力の攻撃ができたのにも説明がつく。
それにしても視界全てが攻撃範囲とは、かなり大きく出たね。
「最強のギルドにふさわしき最強の魔法“
どうやら勝利や最強に固執するのがお好きなようで。
一周まわって哀れに思えてくる。
「勝利とか最強とか、正直興味ないけど……」
「貴方に負ける気は毛頭ないから」
「
空間魔法を使うミネルバの攻撃がどこからやってくるのかは予測不能。見えてる範囲全てが死角となりうる。
得体の知れない魔法と人間を相手に心が昂るのはいつぶりだろう。
あえて己を守る包囲網は作ることも反撃することもなく、一方的に彼女の攻撃を受け続けた。
しかし、それもそう長くは続かなかった。
.
どれほどの攻撃を受け続けただろう。
「あｰ……限界かも……」
私の服が。
ミネルバの攻撃で私の服はほぼ原型を留めていなかった。胸と局部が隠れてやっとのレベル。破れた服の隙間から露出した肌は傷や血だらけでそそるものもそそらない。
「……もうそろそろ終わらせよっか」
「そんな姿で一体何ができる？」
勝ち誇ったような笑みを浮かべたミネルバ。
手も足も出さず一方的にされるがままのボロボロの私を見て、彼女は勝利を確信したように見えた。
勘違いも甚だしいこと。
出せないんじゃなくて、
理由？そんなの簡単。
勝利を確信したそばから絶望に突き落とすのって
最高に楽しいじゃない。
性格の悪さにはお墨付きで定評があるの、ごめんね。
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作者名：梅水晶 | 作成日時：2022年12月31日 16時
