地を這う者は、雷を愛する【FT】 (ページ28)

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試合放棄ページ28

「リオン！！」

彼女が嬉しそうに呼ぶ男の顔には見覚えがあった。

「あ、思い出した」

確か、グレイの兄弟子だ。
闇ギルドに入っていたって話を聞いたことがある。

ま、そんなことより。
グレイが来たならもう大丈夫だね。

「グレイ。ここ、よろしくね」

「は？」

私の足は足早に後ろに下がって3人から遠ざかっていた。

「おい！どこ行くんだよ！！」

「どこでしょう？」

「俺1人に任せる気か！？」

「はいはい、分かったわよ」

ルーファスとの戦闘で疲弊してるからさすがに1人はしんどいかもね。

「“アースメイク人形(ゴーレム)”」

手を地に着けると、ムクムクっと私と同じ大きさ、同じ顔をした土人形が現れた。

「戦闘力は私とあまり大差ないし、頭は冴えてる方だから。じゃあ、あとはよろしくね」

「おい！！このバカヤロウ！！！」

私は後ろから聞こえるグレイの怒号を完全に無視し颯爽とこの場をあとにした。