最終日 ページ25
ー6日目･最終日ー
「ん〜久々に酒が抜けると頭がスッキリするね」
準備運動がてらに酒の回ってない体を思いっきり伸ばす。
「お前が酔ってないとは珍しいな」
「まあ、夜にあんな話されたら晩酌の酒も不味くなるって話よね」
時を遡ること、約半日前。
私とラクサスが外食から帰ってきた頃だった。
宿舎のロビーでマスターと数人のメンバーが神妙な面持ちで何かを話していた。
聞けば、ルーシィが王国兵に捕らわれたらしい。
エクリプス計画とかいう国家機密を知ってしまったが故にこうなったらしいが、まあ不幸なことにとばっちりを食らったんだなと思うばかり。
大会で優勝すればルーシィを返して貰えるかもしれない。
その唯一の希望を元に、私も最終日の選抜メンバーに入れられ現在に至る。
『そして現在1位！！7年前最強といわれていたギルドの完全復活の日となるか！！』
興奮冷めやらぬアナウンスがこちらまで聞こえてくる。
「行こうか」
エルザを筆頭にぞろぞろと歩き出す。
『
鳴り止まない歓声が私の耳を劈く。
『こちらは何とメンバーを入れ替えてきたー！！！』
ナツが不在なことにざわめきだす会場。
前回あれだけ好き放題暴れ回ったじゃじゃ馬がいないのが寂しいのは分かるけど……
「私じゃ物足りないって？全員地に埋めよっか？」
「A。目的を見失って好き放題しすぎるんじゃないぞ」
司会がルール説明をしていると、隣にいたエルザが私を見てそう一言放った。
「はいはい、心しておきます」
「よいか。私達は優勝するしかないんだ。ルーシィを取り戻すために」
「裏で動いてるナツ達が救出してくれたら」
「それに越したことはねェがな」
「だとしても優勝にはもう一つの目的がある」
「7年間苦い思いをしたギルドの奴等のためにもな」
『栄光なる魔の頂は誰の手に！！！！大魔闘演武！！！！開始です！！！！』
スタートを合図する鐘の轟音が鳴り響いた。
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作者名：梅水晶 | 作成日時：2022年12月31日 16時
