アンドロイドな君【灰谷蘭】

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朝起きると、隣に蘭ちゃんはもう居なくて、代わりにキッチンからいい匂いが漂ってきた。



時計を見れば、8時半。



いつもならば家を出る時間だが、あいにく今日は待ちに待った週末だ。



何にも縛られない朝、最高。





『おはよ。』





匂いに誘われる様にキッチンに入ると、朝ごはんを作る蘭ちゃんに挨拶をした。





「おはよ、飯出来てんぞぉ。」





蘭ちゃんに返事をして食卓につけば、彼が朝食を運んでくる。



今日はベーコンエッグだ、最高。





「買い出し行くけど、Aも行く？」





朝ご飯を食べ終わって食器をシンクに置くと、蘭くんが洗濯物を畳みながら言った。



食材の買い出しも彼に頼んで居たから、最近は全くと言っていいほど買い物をしていない。



彼がどんな風に買い物をするのか、少し見てみたい気もする。



スーパーとか、世界一似合わなそう。





『行く。』





仕事以外で久しぶりに出かけるなぁ、なんてはしゃぐ心をよそ目に、私は支度を始めた。





『お待たせ！行こ。』





オフィスメイクとは違う、少し気合いの入ったメイクを施して、髪を纏めた。



そんな私に彼は可愛いじゃん、なんて綺麗な顔で言うもんだから、少し照れてしまった。



彼を購入した際、付属品として付いてきた数着の服を着回している彼は、見慣れた服だけど外で見ると少し違う雰囲気を纏っている。



蘭ちゃんの服も新調したいな。





『ねぇ、スーパー行く前に蘭ちゃんの服も買おう？』





「あ？いーの？」





こんなイケメン、もっといろんな服を着せてみたい。



困惑気味の彼の手を引っ張ると、最寄りのデパートへ向かった。

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