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泣き喚きながら周囲に罵声を浴びせかけるという行為ではあったものの────白龍が自分の無力さを痛感していたことや、何かを抱え込んでいるということは皆薄々感じていた。
「行きてここを出るべきなんじゃねーのか？俺たちの力を借りるべきだよ。一人じゃなにもできねーぜ……」
「うるさいっ！」
偃月刀の刃がアリババに向けられる。
「俺はあんたとは違う！一人でも責任を果たさなきゃならない！できないからじゃ済まされない！俺は一人で果たさなきゃいけないんだ！！」
自分に向けられたその刃を、押しのけるようにアリババは一歩足を出した。
「一人じゃ何もできない！！
聞いてくれ白龍！俺もバルバッドで、最初俺がなんとかしなきゃ、してみせるって、一人で突っ走ってた。でも、それは間違ってたんだ。もっと早くにみんなの力を借りていれば、もっと大勢助かったはずだ。
────カシムも……」
白龍は一歩後ずさる。アリババの口からは嗚咽が漏れ、その拳は悔しげに何度も握り直されていた。
「助ける方法だって、きっと、あったはずなのに。
それを俺は、俺は────俺が、殺した！」
「アリババくん……」
その金色の目からは大粒の涙が流れる。
噓偽りでも、ましてや白龍を落ち着かせるための方便でもない。
白龍は驚きながらもその顔を見る。本当は、自分が思っているようないいかげんな人ではないのかもしれない。
『君はもっと学びなさい。世界のこと、そこに住む人のこと……『彼』はきっと君の手本になるよ』
シンドバッドはそう言った。そしてアリババに初めて会ったとき、たいした人間ではないとも思っていた。
だけど、本当は。
「とにかく、俺の言いたいことは、人間一人じゃ何もできないってことでさあ……」
「────そうですね」
「……んっ！？」
突然の肯定的な返事に、アリババは顔を拭くのもやめて白龍のほうを見る。
「先程から取り乱して失礼ばかり、すみませんでした。
俺こそ、一人で生きていけない人間です。昔から力もない性根も弱い、いつも兄や姉や家族、家臣たちに助けられ通して生きてきました。いつまでもこのままではいられない。
でも、今は。無力な俺に力を貸してほしい。あなたたちと一緒に、どうか戦わせてください」
「……ああ！」
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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» いつもありがとうございます！！ザガンの中では目立ったことはしないかもしれないんですけどザガン出た直後(だいぶ先)に何かしら一悶着ありそうです (2018年9月17日 21時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - 続編おめでとうございます！ザガン編での琥珀姉さんとなぎさちゃんの活躍を期待しておりまする...！ (2018年9月17日 17時) (レス) id: 423ba97ef6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんと何方かの恋模様なども見てみたいですし、原作を壊したくないのは分かりますが、琥珀ちゃんを出してくださいお願いしますあのこ大好きなんです。大分長々しい文章になってしまいました。図々しくてすみません。これからも楽しみにしてます。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんが出てきたときはいつも感情が昂って、すごく楽しく読ませて頂いてます。私はマギを読んだので同じ場面を読んでもあまり面白みはないのですが……少しくらいオリジナルテイストが入ってもいいんじゃないでしょうか。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - はじめまして。一週間ほど前から一気に読ませていただきました。すごく面白くて想像しやすい文章で、もっと伸びていい作品なんじゃないかと思います。ただ、少し残念なのは琥珀ちゃんの文章が少ないこと。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2018年9月15日 22時
