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琥珀はこちらに真っすぐ向かってくるゴーレムたちを一瞥する。槍を左手に持ち替えて、右手の掌をゴーレムたちに重ねるように前へ出す。
そして目を閉じ、左から右へ線を描くように腕を動かした。
ゴーレムの動きが止まる。────瞬間、一体のゴーレムがもう一体に襲いかかった。
それを皮切りにゴーレムたちは互いに殴り合いを始める。
バタバタ倒れて行く石像たちを目の前にして、なぎさはただ驚いていた。
「単に槍で攻撃するだけが”これ”の能力じゃない。幻惑や幻覚、洗脳もお手の物。
さ、
そう言うと、琥珀は変身を解いて腰布に差していたいつもの杖を取り出す。
目の前にはゴーレムの瓦礫の山。まだガシャガシャともがいているものもあった。
「迷宮の中はルフの濃度が高い。そして、このゴーレムたちも魔力で動いているとすれば」
杖を持った手首を捻り、魔力の結晶化を始めた。
ほどなくして、色々な形をした宝石の欠片のようなものが出来上がる。空中に浮いていたそれは天井からの糸が切れたようにころん、と地面に落ちた。
琥珀はそのうちの一つを手にとり、目の前まで持って来る。中を覗くと奥の風景が輝いて見えた。
「さすが迷宮内、大粒だ」
そのまま結晶化を続ける。琥珀はザガンが何か文句を言ってくるかと思っていたが、他のチームのところにちょっかいを出しに行ったのだろうか先程から顔を見せない。それならそれで琥珀にとっては都合がいいのだが。
◇
ありったけのスペルシードをかき集め、口に紐のついた麻袋に詰め込む。それを盾の中に仕舞って変身を解く。
「いやあ大漁大漁。でも、やっぱいちいち変身するの面倒臭いな。かといって大きいバッグ持つのも怪しまれそうだしなぁ」
ぼやきながら大きな扉を開ける。
「あれ、ビリかと思ったけど誰もいないな」
「……やっぱり琥珀はすごいのです」
「あん？」
俯くなぎさを琥珀はきょとんとした目で見る。
そして、その猫のような耳のついた柔らかい帽子をぽふぽふと叩く。
「もう！なんですか！」
ぷりぷりと怒る様子を見て、琥珀はぶふっと笑いを零した。
「本当になんなんですか！？」
「ふふ……いや、なんでもない」
「もう！」
琥珀は目を細めた。
そうして二人は腰を下ろす。気長にあとの二チームを待つことにした。
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名無しさん(プロフ) - みぞれ@絵描き同盟さん» いつもありがとうございます！！ザガンの中では目立ったことはしないかもしれないんですけどザガン出た直後(だいぶ先)に何かしら一悶着ありそうです (2018年9月17日 21時) (
レス) id: 8c887b66b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ@絵描き同盟(プロフ) - 続編おめでとうございます！ザガン編での琥珀姉さんとなぎさちゃんの活躍を期待しておりまする...！ (2018年9月17日 17時) (レス) id: 423ba97ef6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんと何方かの恋模様なども見てみたいですし、原作を壊したくないのは分かりますが、琥珀ちゃんを出してくださいお願いしますあのこ大好きなんです。大分長々しい文章になってしまいました。図々しくてすみません。これからも楽しみにしてます。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 琥珀ちゃんが出てきたときはいつも感情が昂って、すごく楽しく読ませて頂いてます。私はマギを読んだので同じ場面を読んでもあまり面白みはないのですが……少しくらいオリジナルテイストが入ってもいいんじゃないでしょうか。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - はじめまして。一週間ほど前から一気に読ませていただきました。すごく面白くて想像しやすい文章で、もっと伸びていい作品なんじゃないかと思います。ただ、少し残念なのは琥珀ちゃんの文章が少ないこと。 (2018年9月16日 18時) (レス) id: d5d94731ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無しさん | 作成日時：2018年9月15日 22時
