天空の熾天使ｰセラフｰ【オリオンの刻印】 (ページ15)

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14話ページ15

風丸は無事に着地して、円堂はボールを弾き返した。

それを氷浦が受け取ろうと走るが、そこにイが走り込んできてボールを蹴りゴールを決められてしまった。

3対2になってしまった。

「ぐっ…」

「大丈夫か、風丸」

「ああ…」

「巫山戯てやがんな、あの野郎共…」

頭を押さえている風丸に心配そうに駆け寄った円堂。

どうやら風丸は怪我をしていないようだ。

不動はペクの行動に気がついたのか、ペクたちをじっと見詰めた。

「今の、態と狙ったわね……あのペクって人」

「やっぱりか…はっ、この神が天罰を与えてやるよ」

「はぁ? ここは神じゃなくて悪魔だろ」

「んだと?」

ヒロトが調子に乗って言えばそれに灰崎が答える。

頭に来たヒロトは灰崎を睨み付け、灰崎も睨み返して火花が散る。

「ちょっと、そろそろ試合始まるからポジションに──」

「「黙ってろ"堕天使"が!!」」

Aがポジションに戻るように言おうとすれば、灰崎たちが被せるように声を揃えて述べた。

Aは薄らと怒筋を浮かべ、灰崎たちはしまったという顔を浮かべるがもう遅い。

「誰が……"堕天使"だって?」

「「あ、いや…すみませんでした」」

「ほら、早くポジションに戻りなさいよ」

「「はい」」

「「「(紅月さん/Aさんが怖い…)」」」

Aは黒い笑みを浮かべると、灰崎たちは冷や汗をかく。黒い笑みだけではなく声も低くなっているため怖さがかなり出ていて、怖くなった灰崎たちは敬語で声を揃えながらさっさとポジションへと戻っていった。

そのやり取りを見た日本代表の皆も少し冷や汗をかいて、"怒らせないようにしよう…"と決めた。

「(それにしても…相手揉めてるわね)」

ポジションについたAが敵チームを見ると、ソクがペクの服を引っ張って何やら言い争っている様子が見えた。

さっきのプレイに対して怒ってるのだろう、と思ってAは深く気にすることは無かった。

明日人がボールを持って前線へと上がると、ペクはタックルを与えてボールを奪い取る。

少し強引ではあるが、先程とは違い普通にプレーし始めた。

「ようやくマトモにやる気になったか…!」

「行かせない!」

Aはソクにボールを渡さないようにマークへつく。ソクは驚いてマークを振り切ろうとしたが、中々振り切ることが出来ないでいた。