3:・ ページ4
,
高校生活。
それは人生に一度の大イベント。
入試選抜において勝ち残った者だけが高校生活を謳歌し、また新しい道へと旅立っていく。
虎杖「ちわーす!」
今年度入学した高校一年生、虎杖悠仁もその一人だった。
通学カバンを片手に部室に入る。
すると目の前には椅子を並べて先輩の膝に頭を置き、すやすやと寝やがる同級生と、その頭を優しく撫でながら本を読む先輩の姿が見えた。
虎杖「あ、また先輩の膝で寝てる〜!」
佐々木「今夜のために寝とくんだって、ホントよく寝るよね〜」
くすりと笑ってスカートの下が見えないよう掛けられた布団を整える先輩。それどっから持ってきたんだ。
葵夜「んぅ……」
このだらしない顔を見せる同級生。
伊吹葵夜。
虎杖と同じく今年入学した一年の女子高生なのだが、
虎杖「おい起きろ!何度も言うが先輩の膝は失礼だぞ!」
まーよく寝る。
めちゃくちゃよく寝る。
朝の登校時のように友達の居ない時なんて特に。
オカ研に誘われて部室に入った時にも、正式に入部が決まった時にも、先輩の話が終われば寝る。
そして何かと寝ては気まぐれに起き、共に調査をする。
やる気が無いわけではないようだが、楽しそうにも見えない。
そしてよく寝るくせに
虎杖「ふがっ」
葵夜「うるせぇ今やっと寝たとこなんだよ!!」
寝起きに限ってめちゃくちゃ気性が荒い。
虎杖「それ赤ちゃんが寝た時に使うセリフ!!」
リンゴを片手で潰す勢いで俺の鼻を摘んでギロりとこちらを睨みつけてくる。
普段喋る機会などないから性格は知らないけど、教室の中で聞く彼女の声は明るく、繊細さなどない。
普通こうよく寝る奴っておっとりしてんじゃねぇの?
世間的なイメージとのギャップに呆れ、眉尻を下げながらゲシゲシとこちらの膝を蹴ってくる黒タイツの足を眺めた。
虎杖「ヤメロって」
力弱えな。
他人より少し暴力的なコイツは、他人より幾分も力が弱い。蹴られても、鼻を摘まれても全然痛くない。
彼女は文句を垂れながらゆっくりと先輩の膝から起き上がり、ぬっと立ち上がった。
背をピンと伸ばし顎を上げて見下ろされる。挑発の時によくやるやつ。
コイツは華奢だけど背が高いし、ツリ目だから目付きも悪い。
同じクラスにはコイツに睨まれたと勘違いして勝手に嫌ってる奴もいた。
,
578人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時