15:自分のために ページ16
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伏黒「お前を呪いとして祓う!!」
虎杖「いやなんともねーって」
段々と消えていく身体の紋様。
呑気に病院へ行こうと話す相手に、
伏黒の頭は混乱に陥っていた。
伏黒「(クソッ!!どうしたらいい?!)」
目の前の男が先程まで体を張り、命懸けで呪霊を倒そうとしてくれていた虎杖なのか、それともその呪霊を一撃で祓ってしまった両面宿儺なのか、皆目見当もつかない。
そしてその男の胸で眠っている彼女も、果たして害がないと言い切れる存在なのか。相手は指名手配中だ。
虎杖「それと伏黒、いくら不可抗力とはいえ半裸でボロボロの服着た女子を抱き留めたままは色々マズイと思うんだわ。」
こいつはデケェし、持ってろとは言わない。ただ上着だけでも貸してやってくんね?
そう言って自らが言ったそのデカさを意にも返さずヒョイと持ち上げ俗に言う“お姫様抱っこ”をする虎杖。
大きく動いた彼に、伏黒は更に手の力を強めた。
伏黒「ッ?!動くな!!そいつは葵夜じゃない!」
両面宿儺の妹、七竃だ。
そう言おうとした次の瞬間。
突如後ろから知人の気配がした。
五条「否、そいつは正真正銘葵夜だよ。」
伏黒「な」
紙袋片手にポケットに手を突っ込んで立つ男。
五条悟。
彼は半裸の虎杖に姫抱きされている葵夜を見て一瞬顔を顰めたあと、伏黒に今の状況を問うた。
伏黒「どうしてここに!」
五条「今どういう状況?」
当初の任務は百葉箱に保管してあった特級呪物“両面宿儺の指”を回収する事だったはず、
夜間に呪霊と遭遇して対戦する所までは予想していた。何故なら今回は毒で毒を制すような方法の上、対象物が特級案件だから。
それがどうしたら見ず知らずの男子高校生と特級呪詛師が集合する事態になるのだ。
五条「恵は運がいいねっ」
伏黒「これ見て言います?」
五条「いやぁ来る気無かったんだけどさ、さすがに特級呪物が行方不明となると上が五月蝿さくてね。」
観光がてら馳せ参じたってわけ。
珍しい伏黒のボロボロの状態に、五条が面白がり写真を撮りまくる。
緊張感の無い五条の態度に、伏黒が苛立ちを覚え始めた頃、「で、見つかった?」などと今1番聞かれたくない事を聞かれてしまった。
どう答えるべきか悩んでいる最中、虎杖がおずおずと葵夜を支えていない方の手をあげる。
虎杖「あのー、ごめん」
俺、それ食べちゃった。
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佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時