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久しいなぁ…眠っているのか。
愛おしそうに呼びかける。
蒸発していく肉片の中から、ボロボロになった制服姿の葵夜をひょいと抱き上げ腕に載せた。
慣れた手つきで手を伸ばす。
花を愛でるように彼女の首筋を撫でた。
伏黒「?!」
すると吐息ひとつ立てず気絶したように眠っていた葵夜の瞼がパチリと開く。
放課後5時には帰宅していたはずの同級生の姿を見て、寝起きで虚ろになっていた目を見開いた。
葵夜「……………兄…さま?」
宿儺「まさかこんなにも早く再会しようとは、」
葵夜「っ!…ああ…!!兄様!」
存在を確かめるように抱き締め、震える。
感動で涙を流しているのか、鼻を啜る音が聞こえた。
伏黒「(…っ、最悪だ!)」
両面宿儺と七竃。
史上最恐の兄妹。
こうなってはもう勝ち目など無い。
ならば、相打ちになってでも
宿儺「女も子供も蛆のように湧いているのだな…!素晴らしい時代だ!!鏖殺してや」
首を掴まれる。
伏黒「!!」
宿儺「あ?」
虎杖「人の体で何してんだよ」
返せ。
葵夜「ゆ、悠仁…?」
虎杖「ん?…ンァ?!葵夜?!お前どこにいたんだよ!!心配したんだぞ!」
目尻に涙を溜めた葵夜が放心する。
彼は両面宿儺に受肉されたはず。
宿儺「オマエなんで動ける?」
虎杖「?いや俺の体だし」
ようやく葵夜を抱き上げている事を思い出した虎杖が、慌ててそっと腕から降ろす。その顔は申し訳なさそうに赤く染まっていた。
虎杖「本当にすみません顔の感触も腕の感触も今すぐに忘れますのでどうかお命だけは」
葵夜「(今どう考えてもそれどころじゃないでしょ…)」
彼は葵夜が抱き着いた時、胸に埋もれてしまった顔と抱き上げている間触れてしまっていた腕の事を反省しているらしいが、そんな事は今の所どうでもいい。
問題は“何故受肉しても尚生きているのか”だ。
宿儺「(抑え込まれる…)…葵夜、此方へ来い」
葵夜「っ!兄様っ」
宿儺は葵夜の手を引き抱きしめ、もう一度彼女の首筋を、今度は少し乱暴に撫でる。
葵夜「!…う……」
すると葵夜は気絶するようにもう一度眠りに着いた。
虎杖「?!おい葵夜!大丈夫か!!」
伏黒「動くな!!お前はもう人間じゃない」
虎杖「はぁ?それより葵夜を…」
伏黒「呪術規定に基づき、虎杖悠仁…オマエを」
“呪い”として祓う。
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佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時