宝石の中に紛れた石ころを見つけて第2幕。「あんスタ」

第63話　明かりの漏れる奥の部屋 ページ16

普段誰も使ってない奥の部屋から明かりが溢れている。

彼は沢山の紙を片手に持って廊下を進んでいく。
廊下は真っ暗で誰ともすれ違わなかった。
ほとんどみんな寝ていて静か。






廊下には彼の足音だけが響く。
彼は明かりの漏れている部屋の前にたち息を呑む。

部屋のドアを開けてなかにはいる


隅っこに小さめなベッドがあってそこに人が寝ている。

ベッドまで足をすすめて近くにあった机にぺんと紙を置いて

寝ている彼女の顔を見る。

隠してあるようでかくれていないくま。
肌も荒れていて髪も一部荒れている。
枝毛がおおくて昔の彼女からは考えられない。


目の下にある涙の跡。
彼女の目元に自信の指を当てて彼はくしゃりと
その整った顔を歪める。


寝ている彼女の頬にキスを落とし。彼は紙を夜空に放り投げて
ぺんはポケットにしまって


明かりの漏れる奥の部屋を後にした。

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