第61話 鏡に映る ページ14
彼はさ。すごく尊いんだよ。どこが尊いかって言うと…
そう言って笑いながら鏡に映る彼女は空を見ていた。
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「つかさ！！離せ‼︎司を離せ！司‼︎」
「ねえさま…！うぅ…‼︎姉様に手を出すな！」
泣く司。そのアメジストのように透き通るようで美しい瞳から水晶をこぼす。
傷だらけになって
髪はどろどろに汚れて汚い私を姉だと呼び
こちらに向かって手を伸ばす司。
にたにたって気持ち悪い笑みを向けてから誘拐犯。
「このやろ…！！」
近くにあった石を投げようとした。
でも司が目に入ってぴたりと体が動かなくなった。
もしあいつが司を盾にしたら？
もし…もしもしもしもしもしもしもし…
沢山『もし』が頭に浮かんで
こんなこと考えてる暇はないのに
その間はまるで時間が止まっているようで
そんなうちに
護衛の人が追いかけてきた。
あいつは司を床に放り投げて
私に向かって
じゃあまたね。と言って笑った。
「ッ！司！！誰か！医者を‼︎」
床におもっきり頭をぶつけていた司。
痛む足をむしして司に駆け寄る。
司の頭を自分の右腕で支えて左手で司を抱きしめる。
「ね…さま。ごぶ…じ……か」
「うん。私は無事。司、意識をしっかり！
お願い。消えないで。私のせいで！ごめんねごめんなさい。お願い。お願い。死なないで。」
私がそういえば力が入ってない冷たい手で司は私の涙を救った。
謝らないで。ねえさま。
医者にみせて次の日司は目を覚ました。
司は。誘拐されかけた事件のことを覚えていなかった。
何でこんな怪我をしているんだろう…？
そう私に聞いてきた。
私は木登りをしていたら落ちちゃってその時にできた怪我だと司に教えた。
そうだったのですね。
司はそう言って笑った。
この笑顔を守る。そう誓っていた私はガラガラと崩れて。この笑顔を守ってほしい。
と誰にでもない何かに願った。
私は司から悲しい。と言うものを全て消した。
消えた記憶をいじって。悲しいを近づけないように
悲しいを遠ざけた。
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aj - 色んな場面で泣きました。凄く面白かったです更新楽しみにいてます。 (2023年4月2日 16時) (
レス) @page29 id: 52fb1e9a16 (このIDを非表示/違反報告)
ﾊﾑﾑ(プロフ) - にゃーちゃんさん» そう言っていただき嬉しいです‼︎更新もこれから頑張っていくので楽しみに待っていてくださいね‼︎ (2022年8月12日 7時) (レス) id: f8432527a9 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - とても面白いです!!もう、感動して思わず泣いちゃいましたw更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2022年8月12日 6時) (レス) @page25 id: e862c91e4d (このIDを非表示/違反報告)
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