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…やっぱ、あいつはただのチャラい男だ。危険人物。要注意。頭に叩きこみながら。
やっと辿り着いた教室の席に、少し乱暴に腰掛ける。
…
それと同時に。
忘れたい思い出が、私に手汗を握らせた。
優太の癖。
笑いながら、私の頭をくしゃくしゃと掻き撫でること。
…また、無駄なこと思い出した。
なんで。もう、全部サムのせいだ。
あいつに会うまで、ちゃんと忘れてたのに。
消えたって、思ってたのに。
どうして、まだいるの。こんなにも、色濃くハッキリと。
私の心に張り付いてる。
あの笑顔を思い出すたびに、心臓が焼けそうになる。
復讐とか、妬みとか、怒りとか。もう、そんなんじゃない。
身も心も、灰になりそうな…
.
「あれ?!」
「え?」
「あはははっ!!なんや、結局同じ講義やん!!!」
「はあ!?!!」
大爆笑しながら私の隣に許可なく腰を下ろしたサム。
「いや!!ちょっと何やってるの!?」
「何って、授業の準備やん。え、座ったらあかんかった?先約おる?」
「別に…」
この授業はリリコちゃんいないから。嘘はつけない。
「ほら。ならええやん。俺、授業はめっちゃ真面目やで?」
「…もういい。勝手にして。」
「おう、ほな勝手にするわ。笑」
あー… イライラする。
そのハット脱いでくれないかな。視界に結構入るし。っていうか室内だし。
実は、大学の王子様は若ハゲを隠すために24時間黒ハットで隠していた…!
とかだったら、めっちゃ面白いな。
…相変わらず、自分の妄想が幼稚で笑える。
.
「Aちゃん!」
「…?」
前に座っていた見知らぬ男子が振り返って、声を掛けてくる。
「これ、差し入れ!」
「…は?」
にやけ顔でレモンミルクを渡してくる。
え、いや。え?
「いや、いらないで「じゃあ、それだけなんで!!」
「は?」
その人はレモンミルクを机に置いて、そのままマッハで部屋を出て行った。
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*咲七波*(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます!サラも参加でドタバタ劇が始まりました。笑 これからもよろしくお願いします!! (2018年9月19日 23時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - サムと幸せになっていく話だといーなぁと思いながら読んでたら、まさかのサラ登場とか笑 しょうれん好きにはたまらん展開になってきたっ☆引き続き2も読ませていただきます!! (2018年9月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - レイチェルバナナさん» コメントありがとうございます!滅茶苦茶の関西訛りで「めっさ」って言うみたいです…! (2018年9月16日 22時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
レイチェルバナナ(プロフ) - めっさってどういう意味なんでしょうか?博多に住んでるので他の方言がよくわからないんです… (2018年9月16日 21時) (レス) id: f52ab03d28 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - ななさん» コメント、そして素敵だなんて本当にありがとうございます!サムとサラの今後ぜひ見守ってください!よろしくお願いします!笑 (2018年9月11日 21時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2018年9月3日 0時