永瀬くんには堕ちないんでッ！！【Ren.N】

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あ、次の講義始まる。






１限を終えて、空きコマを図書室で過ごしていた。









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次の教室は１回外に出なくちゃいけなくて。







道なりに行くと余計に歩かされるので、普通なら通らない木々の中を突っ切っていく。








…





だって、半分で済むんだもん。




まあ、地面は常に湿ってる土だから。靴は多少汚れるけど。









そうやって、節約して生きるのが結構好きだからしょうがない。









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そして、もう一度大通りに出ようとしたとき。









「…ッ！」









視界左側に、こちらへ歩いてくるサムを発見してしまった。









やば。







って、何意識してんの。





いや、意識はしてない。別に。話しかけられるのがめんどくさいだけだし！！




普通に通り過ぎればいいだけでしょ！！









なんて柄にもなく動揺してしまったがために。









痛恨のミス。






大通りに出るために降りる小さな段差に躓いた。









「うわッ！！」









…やっちまった。









直ぐにあのナルシシストを象徴するハットから、彼の顔が現れた。









目が合って数秒後、サムが腹を抱えて笑いながら、駆け寄ってくる。




案の定の、最悪な展開。









「あはははっ ねえまって。なんで木の中から出てきたん！？



　面白すぎやろ！！笑笑」









もう、最悪。









「何、ダメ？ショートカットしてるだけだけど！！」







「いや、普通通らんもん！！道ないし！！笑」









「道なき道を通って行ったからこそ伊能忠敬は日本地図を作れたんです！！」





「あはははっ 無理。あかんわ。俺Aちゃん、ツボすぎる。笑」









「あのじゃあ、もう授業なんで。」









ったく、この男。いちいち私の事バカにして。イライラする。









「え、そうなん？次何なの？」





「…」









「あ、出た。そのめっさ嫌な顔！」




「嫌な顔って分かってるなら、もう邪魔しないでもらえます？」









「わーかったって。じゃあね。Aちゃん！」






「っちょ！！」









「あははっ！！」









何すんの！！？




い、いきなり頭触ってくるとか！！！









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