夫が冷酷窮まりない件について-第弐夜-

０５ - nothingdaily ページ25

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「………はぁっ」


涙が頬を伝う。


残り二週間で、答え何て出せると云うのだろうか。


「…ｯ"〜！はぁっ……む……さっ…うう"ｯ……！」


呟いては駄目だと思った。

更に可笑しくなってしまうから。

思い出しては駄目だと思った。



何故なら、____



「うう"ｯ…！はぁっ…や"…御免、なさ…！も……ないっ、から…ぁ"…はぁっ…はぁ…っ〜！」


"泣きじゃくって"しまうから。だから、思い出さない様に。

蓋をし、感情を表に出さないと誓い耐えていた。

じっと、硬く冬を越そうと寒さに負けぬと我慢する、花の如く。


…判っていた。

本当は、彼の人を___の目で見る必要も無い事を。

けど、忘れられない、から。


何時までも、彼の人を。



私は____



「畏怖の対象」とでしか見る事が出来ないのだと、痛感する訳であって。



「うう"ｯ…！はぁっ…ｯ"…〜！！」


泣いても泣いても、足りない位。その位、畏れを為しているのもまた事実であり。


如何すれば良いのかすらも、定かでは無い事もまた____、



「…うう"ｯ…！も……厭ｯだ……」



いっそ、二週間後何て来ないで欲しい。

来なければ、答える事何てせずに穏便に終わりを迎える事が出来るから。


来ないで欲しい。


そうしたら、彼の人について如何、思っているかだ何て答えなくて済むから。



「ｯ"…、来…ないでっ…御願い…来…_____」



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ーー来ないで。



『…如何してだい』




……恐いの、凄く。



『…それは何故』



……答えたく、ない



『…恐がる理由を知りたいのだけれど』



…教えない、絶対に。




『…そう。なら無理強いはしないよ。しても開けては呉れないだろうからね…』



ーーあなたは、誰？




『……さぁ？…誰、だろうねぇ。

まぁ、何時か判る時が来るさ。…屹度。

それよりも今、は…だろう？』



……凄く、遠回しに云って訊くだ何て…




『…矢っ張、厭…かい……？』



……ん、厭…




『…でも答えを、出さないと何だろう…？』



……ん、




『…答えが出ないと云うのならじっくりと考え

答えを…自分なりの解答を、出せば良いんじゃ無いかなぁ』


…自分……私、なりの…？



『嗚呼、そうしたら屹度。

──慴れる必要も無くなると思うんだよ』


…そう、だと良いな



『…だから負けないで呉れ』



___其処で言葉は途切れた。






時計の指針が、自棄に騒々しく聴こえていたと感じた。






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【或る男の独白】

…誰でも良いから、状況を覆してくれ。

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