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王さまの胸に額を押し付けて
お妃さまはしばらくの間
何も言えませんでした
圭人…
俺はお前になんてことを願ったんだろう
俺のために未来を捨て
この国から消えたお前に
どう詫びたらいいんだ…
「…山田。
時間はそう多くはやれない。
大臣たちの反対を抑えておくのも…」
「ぅん、わかってる…」
王さまの優しさにも
お妃さまは苦しんでいました
ただの召し使いに
軍を動かすほどの憐憫の情
その哀れみの根元は
紛れもなくお妃さまへの労りだったからです
「捜索は打ち切ってくれてかまわない…」
「山田…いいのか…？」
「彼は優しい人だから
自分のために他人が危険に晒されるなんて
望んだりしないよ…」
「そう、か…そうだな。
アイツをよく知るお前が言うなら
きっとそうなんだろうな…」
お妃さまを置いて部屋を出た王さまは
扉の外にいた兵士に指示を出し
また戻ってきました
「…しばらく、二人きりだ。
ここには誰も来るなと言ってある。」
「藪くん…」
一人になりたいとは
思っていても言えません
そしてお妃さまは
一人になりたくもありませんでした
「泣いて…いい、かな…」
「ったりめーだ。
そのために俺がいるんだろうが。」
大声を上げて泣き出したお妃さまを
王さまは強く抱いて背中を撫でます
その暖かさと優しさと
王さまの気遣いに
お妃さまは心から感謝しました
ありがとう、藪くん
キミがいてくれるから
俺は叫ばないでいられる
自分の罪を許して欲しくて
圭人に謝ってしまったら…
それを誰かに聞かれたら
圭人のしたことが無駄になる
「圭人っ…ぅ、うぅ…圭人が…」
「ああ、思いっきり泣け。」
圭人、ごめん
お前との約束を守らず
自分の我が儘で涙する俺を許してくれ
演技ではなく
お前を失った哀しみに本気で泣いている俺を
どうか…許して…
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けぇしゅ(プロフ) - あの、すごくびっくりしたのですが、らなさんがこの作品を書かれたのって2019年ですよね、、、作品名が、「snow white」って、最近出たJUMPさんの曲じゃないですか、え、凄すぎません？めちゃくちゃ驚きました、、(すみませんこんな感想で、、) (2021年3月27日 18時) (
レス) id: 924f7d7e02 (このIDを非表示/違反報告)
ぐるぐる(プロフ) - 白雪いのちゃん、久しぶりに読めて嬉しいです。もうなんて言うか、本当にかわゆい。にやけちゃう…後半から山田くんが切ない。圭人くんが辛い…感情が大忙しですが続きも楽しみです！早速読ませていただきます！ (2019年9月30日 18時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 更新されてたのを発見して第1章から読み始めました！とても面白いです！色んな人の心情がどんな展開で進むのかとても気になります！いのちゃん、山田くんが女の子設定でもすんなり読めるのはらなさんの書き方が上手なんだろうなぁと思います！第2章読みに行きます！ (2019年9月18日 7時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - shootingstarhapさん» 毎度感想ありがとうございます。泣いちゃうぐらい感情移入してもらえるなんてうれしいです。長らく放置してましたが、今度は完結目指して頑張りますね。 (2019年9月15日 10時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 夢中になって一気に読んでしまいました…。続きが気になる！と、どんどん読んで入り込んで泣いてしまいました。圭人君のこと思うと凄く辛いです…。再開してくれてありがとうございます！m(_ _)m (2019年9月15日 7時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/
作成日時：2016年9月9日 14時
