第98訓 こんな時間があったっていいじゃないか ページ12
沖田side
沖「おばちゃん、俺みたらしで。葵、お前はどうする?」
「ん〜迷う〜。う〜三色団子!」
沖「じゃあみたらしと三色団子頼まァ。」
お「あいよ!」
最近見つけた古い団子屋に葵を連れてやって来た。人があまり通らない目立たない場所にあるが、味は確かだ。隠れた名店というやつだろう。おばちゃんも良い人で、よくサービスなんかをしてくれる。
お「はいお待たせ、みたらしと三色団子ね。」
「おお!おいしそう!!」
ここに誰かを連れてくるのは葵が初めてで、葵も初めてくる店にはしゃいでいる。ちなみに今はバリバリ仕事中である。屯所で葵と、野球とサッカーを同時にするという遊びを行なっていたら、ボールが二つとも“たまたま“土方の顔面に直撃して、散々怒鳴り散らされた挙句見廻りに放り出されたという訳だ。
「おいしい!」
沖「うめぇ。」
やっぱり仕事をサボってのんびり食べる団子は美味い。その上周りは静かなのでとても落ち着く。
「なめらかな口あたりにもちっとした食感。ほんのりした甘みが口の中に広がってーーー」
長々と食レポを始める葵は置いといて茶を飲む。
「あ〜お茶もおいしい。なんか、和むっていうか、ホッとするっていうか、なんていうか、うん。幸せ。おばちゃん団子追加!」
沖「俺も。」
お「あいよ!」
葵が団子を追加したので俺もして、茶を飲んでいた。すると、ジ〜という効果音が聞こえそうなほどの視線を感じたので、隣を見ると、葵が物欲しそうな目で俺のみたらし団子を見つめていた。
沖「……欲しいかィ?」
そう聞くとコクコクと頷く葵。手に持っていた団子を少し差し出すとパクっと勢いよくかぶりついた。
沖「おい、さりげなく二個食ってんじゃねぇや。」
「みたらしもおいしい〜。」
沖「お前のもよこせ。」
「ん。」
差し出された団子を全部口に入れ、残った串だけ返す。
「えっ!?全部食べちゃったの!?」
お「はい追加。一本サービスしといたから。」
「本当?!!」
沖「おばちゃん、いつもありがとうございまさァ。」
お「いいんだよ。数少ないお得意さんだからね。」
おばちゃんは奥へ戻っていき、葵はまたパクパクと団子を食べ始めた。
沖「喉詰まらすんじゃねぇぜィ。」
「うっ、み…水っ!」
沖「言わんこっちゃねぇ。」
予想通り喉に詰まらせた葵にお茶を飲ませ、背中をトントンと叩いてやる。
まあそんな和やかな時間が続いたのだが、それを脅かすものが一つ。
97人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パピポ - 3人の絡みが見れた!!!最高です!!ありがとうございました!!! (2020年10月19日 22時) (レス) id: e8120e490b (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - ペンペン草さん» コメントありがとうございます!そんなこと言っていただけて感激です!!すごく励みになります!これからも頑張りますので何卒よろしくお願いいたします!!! (2020年5月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
ペンペン草 - やばいです!!絵、お上手でお話も最高です!!! (2020年5月16日 14時) (レス) id: 97f71150c2 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 紅蝶さん» 本当ですか!?嬉しいお言葉ありがとうございます(≧∀≦)その言葉をバネにこれからも頑張りたいと思います!!! (2017年9月22日 20時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
紅蝶 - 面白過ぎです (2017年9月22日 19時) (レス) id: 306794bfc6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナナ | 作成日時:2017年5月7日 14時