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藍子「私、嫌ですよ。私たちは奏良から幸せをもらってるのに、奏良が幸せじゃないなんて…
そんなの、絶対許しません」
奏良「藍子…」
藍子「だから…ごめんなさいなんて、言わないで…」
幸せなのに謝る必要がどこにあるの?
たくさん頑張って、苦しいことも1人で耐えてきた奏良が幸せになって何が悪いの?
奏良「…うん、ごめん。藍子にそんな風に言わせて、ごめん。ありがとう」
そう言って奏良はふわりと笑った
そうだ…この笑顔だ…
私が見たかった、心の底から笑ってる奏良…
奏良「あ、一也達も買い物終わったみたいだね。行こう」
そう言って奏良は私の手を取って引っ張った
奏良「藍子、ありがとね。少し、楽になった」
そう言いながらニコニコしてる奏良はどこにでもいる普通の女の子だった
藍子「…よかった」
奏良の後ろ姿を見て静かにそう呟いた
御幸「必要なものは買えたか?」
奏良「うん」
倉持「藍子は?」
藍子「買えましたよ」
チラっと奏良を見ると私の時とはまた別の笑顔だった
やっぱり、奏良は一くんの隣にいるのが一番だ
一くんと一緒にいる方がずっといい顔してる
少し悔しい気もするけど…
奏良が幸せそうに笑ってくれるなら、なんでもいい
倉持「次、どこに行く?」
御幸「行きたいところとかしたいことあるか?」
奏良「はい!喉乾いた!」
一くんに握られている手とは逆の手をあげる奏良
それを見るとなぜかホッとするんだ
藍子「なら、何か飲み物買いに行きますか」
そうして私たちは別の場所に向かった
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作者名:菜々子 | 作成日時:2020年1月3日 0時