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倉持side
倉持「美術部がなくなる?どういうことだ?」
だって、実績もある
主に藍子と他の先輩の絵
いくつも賞をもらってるのに…なんでだ
藍子「そのままの意味ですよ。今、真面目に活動してるのは2,3人。それに、来年になったら榊原先生はいないんです」
倉持「いない?」
藍子「結婚するらしくて、そしたらもう、先生辞めないといけないらしいんです。引き継いでくれる先生が今のところいないんです。だから、やむを得ないんです」
倉持「そうか…」
藍子「暗い話をしてごめんなさい。残りの練習も頑張って下さいね」
倉持「おう!」
藍子はそう言ったけど、本当に嘘が下手だよな
辞めたくないって顔してる
来年も美術部でいたいって思ってんじゃねぇのか?
練習が終わると藍子と谷津重が寮の外で話しているのが見えた
倉持「お前ら何やってんだ?」
藍子「あ、洋くん!」
谷津重「今度の月曜日と火曜日、先生達の研修旅行で休みになったから藍子と遊びに行こうって話をしてた」
そう言えば監督達も行くから一応オフとはなってたな
御幸「へぇー、いいな。どこ行くんだ?」
藍子「まだ決まってないんです」
谷津重「とりあえず、今度の林間学校に必要なものでも買いに行こうかと思ってる」
倉持「そう言えば来週か。木、金だっけ?」
御幸「俺らも行ってもいいか?買いたいものもあるし」
俺らってことは俺も入ってんのか
倉持「確かに、準備しねぇとな」
谷津重「…いいけど」
なんかきまずそうな顔してるけど、なんかあったのか?
藍子「奏良、そんな顔したらダメですよ」
御幸「え、なんかまずいことでもあった?」
谷津重「そうじゃない。その…遊園地、行く」
倉持「遊園地?ダメなのか?」
藍子と二人で行きたかったとか?
谷津重「2人がいてダメってことじゃない。ただ…」
御幸「ただ?」
谷津重「遊園地、行ったことがなくて…」
藍子「…奏良は"遊園地に行ったことがないなんておかしいって思われるかも"って不安なんですよね?
だから、私と一緒に行けばそんなこと思う必要もなくなると思ったんです。奏良も行きたがってたので…隠す気はなかったんです」
御幸「えぇー、二人で遊園地はずるい。俺も行きたい!俺も遊びたい!」
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作者名:菜々子 | 作成日時:2019年6月20日 15時