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倉持side




何をしても怒られる俺だったけど、父親だけはそうじゃなかった。






小さい頃の俺は、今とは違って、Aを平気で叩いていたし、意地悪もした。









何で俺がこんなに変わったかというと…









その頃、

父の病気が発覚した。









A「ママ、パパは?」




母「A、パパはお仕事よ」






母親はAに嘘をついていた。
俺は、男の子だからって、父親に本当の事を直接聞かされた。








A「じぃじ、パパはいつ帰ってくるの?」




祖父「A、いい子にしてたら帰ってくるよ」





母「A、一緒に出掛けよっか」




A「うん!Aちゃん公園行く!お兄ちゃんも!」




祖父「お兄ちゃんはじぃじと出掛けような」




倉持「…」







そう言って、俺は祖父と病院へ、Aと母親はどこかへ出掛ける。
それか、俺と母親が病院へ一緒になんて事もあった。









父「洋一、いいか?






母さんと、Aを頼んだぞ(ニコッ









何があっても、絶対守ってあげるんだぞ?」







病室に行くと、よくこの話をされる。






倉持「…」






父「Aは可愛いだろう?」





倉持「可愛くねーよ」





父「ははっ、洋一はまだ小さいからわからないんだな




Aは今も可愛いし、これからも絶対可愛くなる



変な男も寄ってくるぞ?(笑
ちゃんとお前が守ってあげるんだぞ」







倉持「Aは可愛くねーよ ブスだ」






父「女の子にそんな事言っちゃダメだ



女の子にモテなくなるぞ」





倉持「別にいいもん」





父「大きくなればわかるよ」









それから数日後、父親が危ないとの連絡が入った。


その日初めてAは病院へ行った。









A「パーパ?どーしたの?


ねー、パパ?Aちゃんいい子にしてたよ!」







母「A…」








Aが父親の右手を、俺が父親の左手を握っていた。









母親は泣いていた。
祖父も俯いていた。








…人が死ぬってこういう事なのか。

7歳の俺は、それを知った気がした。







その時、父親の左手の小指に少し力が入った気がした。








"約束"









その小指からそう伝わってきた気がした。









倉持「俺…守るから(ボソッ」







そう言うと、微笑んだ気がした。









それから父親は1度も目を覚まさなかった。







(回想終)

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ふー(プロフ) - ?こころ??さん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします! (2019年2月1日 0時) (レス) id: 64d176cfc7 (このIDを非表示/違反報告)
?こころ??(プロフ) - すごく面白かったです!御幸くんと妹ちゃんの絡みめっちゃ好きです笑続編でないですかね???できることなら楽しみにしてます!!頑張ってください! (2019年1月13日 13時) (レス) id: a55518b308 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふー | 作成日時:2018年12月31日 12時

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