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成宮side
Aさんの話をしよう。
俺が初めて見たAさんは、稲実の背番号18を背負っていた。
俺が中三の頃の夏大だった。
つまり、Aさんが1年の頃。
2回戦でAさんが出てきた。
9番ピッチャーで先発だった。
"あのピッチャー1年生だって"
そんな声が周りから聞こえた。
俺も来年こんな感じで言われるんだろうなー。なんて考えた。
マウンドに上がったAさんを見て、何故だか釘付けになった。
まだ投球練習もしていないのに、ただベンチからマウンドへ向かう姿、マウンドでの佇まいを何気なく見ていただけで、目が奪われた。
「かっこいい…」
言葉が漏れるとはこの事らしい。
気付いたら言っていた。
1年生のわりに落ち着いている…というより、かなり余裕そうな顔。
そして、余裕そうに周りを見下している目。
投球練習が始まった頃には、俺は一切目を離せなかった。
《1回の表守りにつきます稲城実業高校》
投球フォームは豪快なワインドアップではなく、セットだった。
《ピッチャー清和くん》
淡々としていて、リラックスした投球フォーム。
そこから放たれる速球。
"プレイボール!!"
バッターの近くで急激に変化する変化球。
スタンドからでもわかった。
試合が始まった頃には俺はフェンスにしがみついて食い入るように見ていた。
「君、フェンスから離れなさい」
巡回していた球場のスタッフに注意されるほどだった。
俺が稲実に行くって決めたのはこの日だった。
この日からAさんは俺の憧れの人。
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ふー(プロフ) - 蒼葉さん» とんでもないです!!読んでいただき本当にありがとうございます!! (2019年2月17日 22時) (
レス) id: 64d176cfc7 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉(プロフ) - とてもよいお話でした!!!この作品を作って下さりありがとうございます!! (2019年2月14日 7時) (レス) id: c28d4f2a15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふー | 作成日時：2018年11月16日 22時
